マナーうんちく話2177《山笑う青い春から山滴る夏へ。青春とは・・・》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

吹き渡る爽やかな風を、身体全体で感じながらの農作業はとても心地いいです。

この時期になると雨模様の日にはカエルの鳴き声が聞こえ、畑を耕していると蚯蚓(みみず)が出てきます。

旧暦では一年を72に分け、虫や動物や植物、さらに気象の動きを知らせる「七十二候」がありますが、その中に「蛙始めて鳴く」や「蚯蚓(みみず)出ずる」があります。

ちょうど今頃でしょうか。
今回の雨で蛙が喜んだことでしょう。
大きな声で元気よく鳴いていました。

何百年前の暦通りというわけですが、今年は例年に比べ何もかも早くなっているようですね。

しかし一年で今が、最も心地よい季節には変わりありません。


新緑を愛で、薫風を存分に味わいながら、前向きに過ごしたいのですが・・・。

歳を重ねると体力に加え、気力まで落ち込むことが多くなってきます。
若い頃には全く予期しなかったことです。

老化現象といってしまえばそれまでですが、せめて気力だけは極力持続したいと思っています。


ところで四季が明確に分かれ、国土の7割以上を山や丘が占める日本では、四季折々の山の様子を人に例えて、先人は大変洒落た表現をしています。

夏は「山滴る頃」、秋は「山装う頃」、冬は「山眠る頃」、そして春は「山笑う頃」です。
私が住んでいる田舎は盆地で四方を山で囲まれていますので、東西南北どちらを見ても山が笑っています。


先人は花が咲くことを「笑う」と表現しましたが、この時期は藤の花や桐の花が目立ちます。

春のフィナーレを飾るにはとてもふさわしい格調高い色合いです。

そしてこれからは緑のグラデーションが大変美しくなってきます。
暦の上では立夏を過ぎているので夏ということですが、新緑から深緑への移行期です。


ちなみに中国では四季を色で分けています。
夏は「赤」、秋は「白」、冬は「黒」そして春は「青」です。

青い春、「青春」とはまさにここからきています。

中高年齢の方は、青春は昔のことと思われるかもしれませんが、今から100年以上前にアメリカで活躍した実業家であり詩人の「サミュエル・ウルマン」は、70歳を超えて発表した「青春の詩」の中で、「青春とは人生のある時期ではなく、心の様相を言うのだ」と述べています。

日本人も座右の銘とした人は沢山いて、戦後の日本を精神的に支えた言葉としても有名です。

私は各地で中高年齢者を対象に、セカンドライフの健康生きがいづくり等の講演を多くしてきましたが、結構引用させていただきました。

サミュエル・ウルマンは「青春とは心の若さ」であり、年を重ねただけでは人は老いないと説いています。

信念、自信、希望がある限り若く、疑惑、恐怖、失望とともに老い朽ちるとも書かれています。


3年以上にわたるコロナ禍が、日常生活に与えた影響は大変大きかったですが、新型コロナウイルス「2類相当」から「5類」に移行した今後は、回復に向けた取り組みが必要だと思っています。

特に高齢者は自粛生活が長引いたせいで、心身共に衰弱した人も多く大変です。

だからこそ、是非参考にしたい言葉だと思います。

事故や病気や老化が、気持ちを退化させるのは、ごく自然の成り行きだとは思いますが、この詩は前向きに歩んでいくために非常に勇気を与えてくれそうです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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