マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
最近一人暮らしの人が増えています。
若者から中高年齢者しかりです。
2021年の婚姻届け出数は約51万件で昭和45年の約半分だそうです。
超高齢化も急激に進んでいますが、超高齢化の特徴は独居高齢者が増えるということです。
今後ますます一人くらいは多くなりそうですね・・・。
若い人の一人暮らしは気軽でいいかもしれませんが、高齢者になると1人であるがゆえの様々なリスクがあります。
若い人では理解できないことが多々あるということです。
また仕事がなくなって無収入になった時や、病気や要介護者になった時などは同居人のサポートは期待できません。
今年は異常な暑さに見舞われていますが、熱中症も心配です。
ちなみに生活保護を受給した約160万世帯の内、約78%が単身世帯というデータがあります。
コロナ禍で、人と人との接触を避けなければいけない生活が長く続きましたが、限界があります。
特に高齢者の場合は・・・。
日常生活で、多少面倒に思えるかもしれませんが、他者とのつながり、社会とのつながりを持つことが重要だと痛感します。
ただ一人暮らしだとマナーは不要です。
常に自分中心で、自分のことだけを考えていたらいいからです。
でも現実的ではありません。
社会生活をするということは、多くの人との関りがあり、意識しなくても、様々な人と支え合い、助け合いながら生活しています。
だから法律やマナーや道徳が必要になるわけです。
守らなければ罰則規定がある法律は国が決めたルールであり、物事の善悪が基準になる考えや行動が道徳です。
しかしこれだけでは不十分で、さらに気持ちよく暮らすためにマナーの存在があります。
だから周りの人や、他人が自分にとっていかに大切かを理解することが大切です。
しかしマナーには強制力もなければ、違反しても罰則規定はありません。
「ルール違反」とは社会の中で必ず守らなければいけない決まりを破ることです。
また「モラル違反」とは善悪が基準で道徳上間違った行いですが、「マナー違反」は人や社会に迷惑をかける行為です。
モラル違反もマナー違反も罰則はありませんがルール違反は罰則を伴います。
ではなぜマナーが必要なのでしょうか?
一言で言えば、マナーはより良い人間関係を築く潤滑油のような存在だからです。
そのためには「あなたは私にとってとても大切な人です。だからあなたと仲良くしたい」という意思表示をする必要があります。
例えば「挨拶」があります。
相手に対して挨拶をするということは、相手の存在を確認したという意味と、「私はあなたと仲良くしたい」という意思表示です。
さらに相手に対する「誠意」が伝えれば最高ですね。
日本の贈答文化には「熨斗」の存在がありますが、まさにそのためです。
「これは神様にお供えするくらい大事なものです」という気持ちの表れです。
相手に「あなたは私にとって大切な人」だということや、相手に対する「誠意」が伝われば、より仲良い関係が築けるということです。