マナーうんちく話342≪マナー美人⑨「旅館のマナー」≫
2年以上に及ぶ新型コロナウイルスの影響を受け、日常の生活様式やビジネスの意識が大幅に変わりました。
加えて長引く自粛生活により、暮らしに潤いを与え、心を豊かにするためには人と人との交流が何よりということも再認識されました。
自分を磨いてみたい・・・。
このように思った人も多いのではないでしょうか。
私は迷わず「礼儀作法」を身につけることをお勧めします。
礼儀作法といえば堅苦しいとか窮屈、またデジタル全盛の時代には不釣り合いと考える人も多いかもしれませんね。
しかしそんなことはありません。
四季が豊かで、長い伝統を有し、平和な社会を築いた日本のマナーの根源を成すものは「他者に対する思いやり」であり、それらを具体的に表現したものが作法といえるでしょう。
この点が、危機管理的要素の強い他国のマナーと異なるのではないかと考えます。
したがって礼儀作法に精通し、それをビジネスシーンばかりではなく、日常生活の様々な場面で発揮することができれば、周囲から好感が持たれ、いろいろな人と仲良くなれます。
さらに「思いやり」が根源になっているということは、平和な社会を作ることにも貢献できるし、自然に対しても優しく振舞えるので、持続不可能な社会から持続可能な社会を作ることにも役に立つでしょう。
ただ現実はどうでしょう。
平均寿命も健康寿命も世界トップクラス、物は豊かで便利、平和な社会、豊かな自然などなど、今の日本は恵まれすぎるくらい恵まれているように思いますが「幸福度」はお世辞にも高いとは言えません。
衣食住は充分足りているが礼節にかけるということでしょう。
さらにコロナ禍でオンラインは普及したかもしれませんが、人との接触が減少し、周囲との人間関係を築く力は失せてきたように思えてなりません。
デジタルコミュニケーションは出来ても、対面でのコミュニケーションは苦手という人が増えたということでしょう。
こうなると経済的にも苦境に立たされ、孤立して、気の安らぐときや場所がなくなり、不安や心配事がたまり、精神的にもよくありません。
だからこそ凛とした内面磨きが大切ということです。
しなやかで柔軟性を身につけることです。
どんな人であれ人生百歳時代をハッピーに生きるには「自分がどんな人間でありたいか?」。自分自身に問いかけてみるのもいいでしょう。
幸いにも今の日本では、自分がどのような人間になりたいかは自分で決めることができ、それを実現することができます。
礼儀正しい人になることをお勧めします。
「礼儀正しい人」は自分も相手もハッピーにします。
また「類は類を呼ぶ」といわれますが、礼節は礼節を生み、無礼は無礼を生みます。
では具体的にはどうしたらいいのか?
《マナーうんちく話》でも何度も触れましたが、とりあえず3つを実行してみて下さい。
〇「笑う門には福来る」で笑顔を心がけて下さい。
自分が笑えば、相手も笑います。
問題は、一日何回笑顔になれるかです。
〇「聞き上手は話し上手」
自分の自慢話をすれば確かに心地いいですが、相手は違います。
相手の自慢話をニコニコしながら聞ける人は好感を持たれます。
〇相手を尊重すること
尊重するとは、尊いものとして重んずる、つまり大切なものとして扱うことで、相手を尊重する癖が付けばいいですね。
オンラインでもオフラインでも常に礼節を心がけて下さいね。
最後にマナーは社会の秩序を保ち、社会生活をより良くするための規範やルールのことで、自分を格好よく見せるためのものではありません。
価値観が多様化し、国際化が急激な勢いで進展する時代だからこそ、共通のルールとなるマナーがより重要になってくるということを理解したうえで、不必要に、形にとらわれるより「なぜそうするか?」その意味を理解してくださいね。