マナーうんちく話2108《正しく理解し、尊重したい「序列」のマナー》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー

一定の基準に従って並べた順序が「序列」で、対象と比較する際に使用されます。
ちなみに「序列」の「序」は順番で、「列」は並ぶという意味です。

組織やグループなどでの立ち位置、つまり順位をつける際にはこの言葉で表します。

また英語では序列のことを「rank」、序列にしたものは「ranking」と言います。

序列に似た言葉では、大相撲などで使用されている「番付」があります。

さらに見た目や規模が大きく異なるときには「格が違う」などと言いますが、順番、順位、配列、階級などは親しみやすい言葉でだと思います。

教師と生徒、先輩と後輩、上司と部下という関係の中で序列は尊重されますが、この序列の重要性や配慮は世界共通のマナーでもあります。

例えばプロトコール(国際儀礼)では基準となる5つのルールを定めていますが、「序列の重要性」も挙げています。

式典、公式行事、パーティー等では入場や席次に序列が生じ、状況に応じて柔軟に対応することも大切ですが、その基準は厳格です。

ここではビジネスシーンやプライベートで縁が深い「席次」に触れておきます。

相手との関係や役職に応じて座る席が決まります。
その順序が席次です。

平たく言えば、どの席に、誰が座るかという座席の順序が席次だと思っていただければいいと思います。

会議や公式の場や結婚披露宴などで、序列の順位や席次の上下を知らないと、相手に大きな不快感を与えることになるのでご注意ください。

私も長年ホテルで結婚式や宴会の仕事に携わっていましたが、席次の決め方にはいつも細心の注意を払っていました。

会議の席次には「上座」「下座」があります。
上座は目上への人や、来客で、その部屋で最も快適に感じられるところです。
役職⇒社歴⇒年齢の順で決めればいいでしょう。

ただ机の配置や、来客の有無などにより、その都度臨機応変に決めることが大切ですが、基本は入り口から遠い席が上座になります。

下座は落ち着かない、入り口に近い場所です。

席次のビジネスマナーは不要との考えもあるようですが、席次には目上の人や年長者を敬う気持ちがあります。
また来客にはもてなしの気持ちも込められています。

ちなみにマナーとは、尊敬や感謝や思いやりの気持ちを抱き、それを具体的に表現することですが、席次はまさにそれらを表現したものです。

会議で議長や進行役がいる時には、責任ある議長に敬意を表現しなければなりません。
だから議長が上座で、それに近いほどいい席になります。

どこが上座になるかといえば、「ロの字」のテーブルは一の時には、出入り口から一番遠い場所の正面が議長席で、それに近い席が上座になります。

コの字のテーブルでは、議長席はロの字と同じですが、上座は議長席の隣になりますます。

さらに「役職」は仕事を円滑に進めるために重要で、責任の所在を明確にすることができます。

会社にとって会長や社長は経営陣、部長や課長は管理職、係長は監督者などと表現されます。

管理職のサポート役で部長付き、課長補佐はなどの役職もありますが、最近は聞きなれない横文字の役職が目立つようになり、理解に苦しむことがあります。
時代の流れでしょうか。

最後に洋室、和室問わず、会議や会食や車などには、すべて上座と下座があります。

主要国の首脳会議における序列の基準もあれば、日本における公式席次の序列もあります。

序列にはこだわらない人もいますが、私の経験では大変気にする人、後々まで根に持つ人も結構います。

社内のトラブルも、序列へのプライドが根源になる時もあります

相手に対する思いやりと割り切って、細心の注意を払っていただければと思います。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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