マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
田舎に住んでいると虫や鳥の鳴き声で目を覚ますことが結構ありますが、春先に「春告げ鳥」と呼ばれるホトトギスの声で目覚めると、とても豊かな気分になれます。
またこの季節は「蝉しぐれ」で目を覚ますことが多いのですが、今朝目が覚めた時には「フクロウ」が鳴いていました。
フクロウの鳴き声は腹が減っているときと敵を威嚇するときは鳴き方が異なるそうですが、昔から福を招く鳥といわれ重宝されてきました。
だから「福来郎」「不苦労」「福老」などの漢字があてられたのでしょうか。
特に「福老」は幸せに年を重ねる意味になるので、人生百年時代にはぴったりですね。
ところで暑い最中ではありますが、時折涼しい風が吹いてきて、ふと秋の気配を感じることはありませんか?
この時期に相応しい「秋隣」という季語があります。
8月の声を聴けば風のほかにも、柿や栗の実、虫の鳴き声、草木の様子などに、少しずつ小さい秋が近づいてくるのが実感できますね。
8月7日は二十四節気の一つ「立秋」です。
この日から暦の上では秋になりますが、秋を連れてくる風は西から吹いてきます。
西側の窓を開けて、収穫をもたらす風にしっかり触れてみるのもいいでしょう。
しかし立秋の頃が一年で最も暑い日が続く頃でもあります。
くれぐれもご自愛ください。
ちなみに四季が豊かな日本では昔から遠く離れた人に、「暑くなりましたがお元気ですか?」などと、相手の健康を書状で思いやる文化があります。
「暑中見舞い」や「残暑見舞い」ですが、立秋の前日までが暑中見舞いで、日付は「令和3年盛夏」になります。
そして立秋以降は残暑見舞いで、日付は「晩夏」になります。
デジタル化が進むにつれ、書状での季節の挨拶は影が薄くなりましが、良好な人間関係作りは「ギブ&ギブ」と「見返りを求めない」、そしてとにかく「こまめに」が基本です。
このような時こそ「筆まめ」になるのもお勧めです。
また8月6日には広島に、9日は長崎に世界で最初に原爆が投下された日ですね。
そして8月15日は「終戦記念日」です。
今は戦争体験した人は非常に少なくなりましたが、教科書の中の話だけにならず、戦争や平和について真剣に考えたいものですね。
コロナ禍の今よりはるかに過酷な状況下で、疎国のために命懸けで戦った方々に思いをはせるとともに、感謝の気持ちも忘れてはいけないと思います。
そして先人が長年培ってきた、自然との共生や「和の心」をしっかり受け止め、その尊い精神を、子や孫にキチンと伝えるとともに、国際社会に向けて発信することが何よりも大切であると考えます。
1962年に日本レコード大賞童謡賞を受賞した、サトウハチロー作詞の「小さい秋見つけた」の歌がお似合いの頃ですが、クーラーばかりに依存せず、自分流の小さい秋を感じながら元気で暑さを乗り切って下さい。