マナーうんちく話269≪顧客満足より従業員満足≫
暦の上では、伊邪那岐と伊邪那美の神様に、子どもの作り方を教えたといわれる鶺鴒(せきれい)が、恋の季節を迎えて、泣き始める頃になりました。
「恋教え鳥」と異名を持つだけあって、つがいになると大変仲良く暮らすそうです。
武者小路実篤の言葉に「仲良きことは美しきかな」がありますが、鳥も人も仲がいいのが一番ですね・・・。
では職場で仲良い人間関係が築けていますか?
上司との関係はいかがでしょうか?
どんなに素晴らしい学歴があっても、資格があっても、専門知識やスキルがあっても、人間関係が良くなければ、職場に行くのがつらくなります。
特に上司とうまくいかなければ、仕事のモチベーションは下がり、ストレスもたまります。私も経験しました。
ではどうする?
まず仕事ができて、リーダーシップがあり、常に部下のことを思って優しく対応してくれるような上司は、宝くじに当たるようなものだと心得て下さい。
それどころか、大半の人は、上司に悩まされているのが実態ではないでしょうか。
ちなみに嫌われる上司といえば、すぐ感情的になる、行動に一貫性がない、リーダーシップがない、部下の話を聞かない、高圧的、手柄はとるが責任は取らない、人によって態度を変える、何でも自分基準などなどですが、好き嫌いは自分の主観によるところが大きいのも事実です。
じゃ、その嫌な上司を変えることができるか?といえば、それは無理でしょう。
自分でどの上司がいいか?選ぶこともできないでしょう。
自分が考え方や接し方を変えるしかないですね。
特に嫌な上司は避けたり、無視するようなことはお勧めできません。
仕事だと割り切っていただくことも大切ですが、特に嫌な上司ほど《誠実な態度》で接して見るのもお勧めです。
例えば挨拶は先手必勝で、相手の目を見て明るくするとか、「○○課長お早うございます」と、相手の名前を呼ぶこともいいでしょう。
また「報告・連絡・相談」は手抜きをしないで、こまめに実行してください。
「ホウ・レン・ソウ」に対して、「オ・ヒ・タ・シ」で優しく答えてくれればうれしいですが、最初から期待しないほうがいいかも・・・。
さらに上司の話は「聞く」というより「聴く」という態度がお勧めです。
「耳を通して心で聞く」ということですが、相手の言うことを聞いて、それを正しく理解して、尊重することも大切です。
「嫌な上司」のことを、よく理解することも心がけて下さいね。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」で、上司の性格や実情や実力をしっかり把握することも大切です。もちろん、相手を嫌うばかりでなく、自分自身はどうか?もきちんと振り返って下さい。
ちなみに私は、長年のサラリーマン人生において、比較的いい上司に恵まれたと感謝していますが、それでも嫌な上司も結構いました。
上司を嫌っている仲間と、愚痴を言い合ったり、時には無視したり、悪口も言いましたが、後になって冷静に考えてみると、どれもいい結果にはつながっていません。
また私の長年の経験ですが、自分が嫌えば、相手も嫌います。
これはお客様にも同じことがいえると思います。
相手から嫌われれば仕方ないですが、自分から嫌って、遠ざけてしまうのももったいない話です。
嫌いの度合いにもよりますが、移動や退職を考える前に、「自分磨き」のつもりで努力することも必要だと考えます。
退職や移動になっても、次の上司が自分の好みになる保証ありません。
長い目で見て、自分の視野を広げる努力も大切にしたいものです。