マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
このところ家庭で過ごす時間が増えた人も多いと思います。
おかげで家族団らんの時間が増え、絆が深まった人もいれば、離婚の危機に陥った夫婦もいるようですが、では、この違いはどこにあるのでしょうか?
相手に対する「思いやり」と「感謝」の気持ちだと思います。
「親しき中にも礼儀あり」でしょう。
なりよりも大切な家族です。自分の主張ばかり通そうとせずに、相手の立場を尊重し、気持ちをくんであげて下さい。思いやりの心はこのようなことから生じます。
加えて基本的な挨拶や、心の通い合う食卓を大事にして下さい。
そしてコロナ禍で迎えた梅雨。
いろいろと制約がある中でいかに豊かに過ごすか?
貝原益軒の「養生訓」からヒントを探りたいと思います。
現在日本は世界屈指の長寿国ですが、単に長生きを競うのではなく、健康で自立して生きる「健康長寿」が問われています。
ちなみに養生訓は今から300年以上前に書かれた健康読本ですが、当時の平均寿命は今の半分くらいだったと思われます。
しかし養生訓には、すでに健康長寿が説かれており、それによると体の健康だけでなく、精神の健康が大切であると説かれています。
また「たばこ」は健康も害し、火事の原因にもなり、多くの人に迷惑をかけるから、初めから吸わないほうが良いと触れられています。
いずれも現在の「人生100歳時代」に当てはまることばかりです。
特に最近の研究では、身近な人との人間関係は「健康寿命」や「幸福寿命」に多大な影響を与えることが分かっています。
一番身近な夫婦仲、家族間の在り方をよく考えてくださいね・・・。
さらに養生訓は「家の中で本を読み、野菜を作りそれを調理したり、花を愛で、四季の移ろいを楽しみ、心豊かに過ごす楽しみを理解できる人は、たとえ貧乏であっても、このような楽しみを知らない金持ちより幸せだ」と説いています。
当時はまだ健康という言葉はなく、生命を養うことが「養生」と呼ばれた頃で、この養生訓は身分を超え、多くの人に読まれた大ベストセラー健康指南書です。
そして貝原益軒は日本のアリストテレスといわれた大学者であり、当時84歳まで生きた人ですから、養生訓はまさに有言実行の書でインパクトがあります。
ちなみに私は2月中旬から講演の仕事がまったくなったため、養生訓に倣って、今まさに晴耕雨読の生活を謳歌しています。
お陰で我が家の軒下で子育てしていた燕の巣立ちも見届けることができ喜んでいるところです。
一日数時間の農作業にも精を出していますが、この時期に収穫できる野菜は大地と太陽のエネルギーを沢山受けて育っているので栄養価が高く、免疫力が強いのがうれしいです。
加えて身近なふれあいを大切にしつつ、四季折々の日本の伝統的なしきたりなどもできる範囲で実践することで、日常生活が少しでも豊かになるよう心がけています。