マナーうんちく話266≪食文化と世界三大食法≫
春の風物詩ともいえる菜の花が咲き乱れ、モンシロチョウが飛び話回っています。
中国では菜の花は蝶になるという伝説があるそうですが、日本では春先に食用として市場に出回ります。
では「菜の花」って何の花かご存じでしょうか?
市場に流通しているのは食用に品種改良されたアブラナの穂花ですですが、アブラナ属の植物の花の総称を菜の花と呼びます。
つまり白菜、チンゲン菜、小松菜、水菜などの菜の花があるということで、我が家でも毎年この時期にはこれらの菜の花を楽しんでいます。
ところで菜の花に限らず、春は動物も植物も目覚めの季節。爽やかな風に誘われて顔を出す旬の野菜はうれしいもので、食卓にぜひ届けたいものです。
日本では年中色々な野菜が楽しめますが、サラダは老若男女誰からも親しまれています。そこで改めて野菜サラダをフォーク・ナイフで食べる食べ方に触れます。
サラダはグリーンサラダ、アスパラガスサラダ、レタスサラダのようにシンプルなものから、漁獲類や生ハムなどが混ざったボリューム感のあるサラダがあります。
制約がないので何種類もの野菜を使ったり、季節感を味わうために旬の食材をふんだんに取り入れたりで、レパートリーが広いのがうれしいですね
食べ方ですが、最初から皿に盛られているサラダはナイフとフォークを使用します。
トマトやキュウリなどが盛られ、フォークで刺して食べられる場合は、ナイフを皿の上に刃先を手前(内側)に向け、横にして置きフォークで食べればいいでしょう。
ただし堅苦しい席ではフォークとナイフを使用するほうがいいかも。
野菜サラダで食べにくいのは薄い葉っぱなどですが、フォークの先で刺して、ナイフを歯の下に入れて送り込むようにします。
ミニトマトのように転がりやすい野菜も同様で、ナイフを使って壁を作り、フォークで刺せば楽になります。応用が利くのでぜひ試してみて下さい。
また野菜はサラダばかりではなくグリンピースやコーンのように魚料理や肉料理の付け野菜にも使用されます。イギリス式ではフォークの背にのせて食べますが、フランス式やアメリカ式では右手でフォークをもち、すくって食べます。
加えてランチなどでは小さなサラダボールに入って出てくるケースが多いようですが、ナイフを置いて左手をボールに添え、右手でフォークだけで食べます。
気軽に手で持った食べる人をよく見かけますが、洋食は器を持ちません。
よくあるケースですが、サラダが大皿に盛られている場合は、食べる人数を確かめたうえで、自分の量をおおよそ計算してください。そして添えられているサーバーは右手でスプン、左手でフォークを持ち、スプンでサラダをすくって、フォークで抑えて自分の皿に運びます。
【サラダのドレッシング】
「ドレッシング」という言葉は日本人にもなじんでいますが、西洋料理でドレッシングといえば基本的には「フレンチドレッシング」と「クリームスタイル」の2種です。
塩、コショウ、オイル、酢などが添えられる場合もあります。
さらに店の格式や料金にもよりますが、サラダにそのままかけるのではなく別添えでドレッシングが付く場合もあります。好みに応じ、少しずつかけて下さい。
日本の食料自給率は現在先進国では最下位レベルの39%前後ですが、飽食の国、美食の国ですから、スーパーには多くの食材が並んでいます。野菜もそうですが現在日本で栽培されている野菜は約150品目、市場に流通している野菜は約100種だといわれています。もちろん大きさ、姿かたち、旬も個性もみな異なります。
それらを生や温野菜として食すわけですが、すべて美しく食べる方法を身につけることは至難の業です。日本の敬語も同じだと思いますが、主だった種類の食べ方くらいは憶えて頂き、後は場の雰囲気に応じて食べ易い様にしたらいいと思います。
ポイントは、器を持たない、前のめりにならない、顔を野菜に近づけるのではなく、野菜を口に運ぶということです。