マナーうんちく話1763《変化に富む「死」を表現する日本語》
【健康維持だけが生きる目的ですか?】
1月7日の「人日の節句」は「七草の節句」ともいわれますが、今でもこの日に「七草粥」を食べる風習は残っています。
世界屈指の「長寿の国」、そして「美食の国」「飽食の国」になった現在でも多くの人が「七草粥」を食すのは、萌え出た若菜を食べ、旬のエネルギーを吸収し、健康長寿を願うからでしょう。
また1月中旬に行われる「鏡開き」や「どんどやき」、さらに2月3日の節分の日に「豆まき」をしたり「恵方巻」を黙々と食すのも、ひとえに邪気を払い、健康長寿を祈願するためですね。
健康長寿は永遠のテーマであり、「健康寿命」増進は確かに大切だと思いますが、これだけ豊かになった現在において、生きる目的が健康維持だけになっては寂しいですね。
また元気で自立して生きている人でも、幸せだと思わないで生きている人も珍しくありません。一方健康を害して寝たきりの人でも、幸福を味わいながら過ごしている人も大勢います。
加齢を素直に受け入れ、自分自身と向き合う覚悟を持ち、その中で幸せを感じながら生きることも大切にしたいものです・・・。
日本人は昔から「始め」と「終わり」を大切にしてきましたが、「自分の人生は幸福な人生だった」と感謝の気持ちで幕を閉じられる人生が理想ではないでしょうか。
そこでお勧めしたいのが「幸福寿命」の延伸です。
【大切にしたい、幸せを実感しながら、毎日を生きる期間「幸福寿命」】
従来の健康寿命を大切にしながらも、幸福寿命という概念も加味していただけたらと思います。しかし残念ながら日本人の幸福度は、お世辞にも高いとは言えないのが現状です。
「世界幸福デー」をご存知でしょうか?
日本ではまだなじみが薄いと思いますが、《本当の幸福を追求する》をテーマに世界中の人が幸せについて考え、感謝する日で3月20日です。そしてこの日に国連から「世界幸福度報告(world happiness report)」がありますが、どれくらい幸せと感じているか、GDP、平均余命、寛大さ、人生の選択の自由度、腐敗度、社会的支援などの要素を基に計れる報告書です。
自分自身の幸福度が0から10までの、どの値にあるのかという主観的な値で決められますが、平均寿命も健康寿命も世界トップクラスの日本は、最新のデータでは156か国中58位です。
勿論国連の考える幸福度の指標が、そのまま日本人にマッチするのか否かは疑問ですが、過去5年間の50位台の数字から見ても、この数字は真摯に受け止める必要があるのではと考えます。