マナーうんちく話1856《シニアの自立と危機管理「高齢期を【幸齢期】にするために⑤」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:女子力向上マナー

介護保険法の基本コンセプトは「自立支援」ですが、自立には様々な意味があります。

料理・炊事・洗濯が他の人の世話を受けずに自分でできる、いわゆる生活習慣的なことができることは大切です。
でもそれだけでは不十分で、他にも様々な要件が必要です。
特に周囲と人間関係をどのように築いているかはとても大切と心得て下さい。

ちなみに「自立」とは「自分で立つ」と漢字で表現される通り、自分で立って、自分の好きな道を歩む!と捉えて頂いたらいいと思います。

学校を卒業して社会人になる若者も、第一線を退きこれからセカンドライフを歩むシニア層も同じでしょう。

ただ前者と後者では若干異なります。

いずれもこれから先の人生を自分で決め生きていくわけですが、前者の場合は一般的ルールの上を歩むことが圧倒的に多いのに対し、セカンドライフへの歩み方は実に様々です。

どのような道を歩むかは第一線を退いてから急に決めるのではなく、現役時代からセカンドライフの歩み方を頭に描き、それなりの準備をして下さい。

セカンドライフをいかに歩むか?
今まで培ってきたキャリア、経験、知識、知恵、さらに自分自身の価値観、これからやりたいこと、健康状態、経済状況、人脈、夫婦・家族関係、社会情勢などを基に総合的に決めたらいいでしょう。

1980年半ば頃から「濡れ落ち葉族」「恐怖のワシも族」の存在が大きな話題になりましたが、いずれも定年退職後のダメな男性を比喩した言葉です。

会社というコミュニティーを離れたら、これと言って打ち込める趣味もない、地域とのかかわりもない、出かける機会も場所もない、そうかといって何かをやる気力もノウハウもエネルギーもないとなれば、いくら退職金があっても寂しい人生になります。そこでとりあえず、定年前後になれば、下記の項目について危機管理をしてみるのもお勧めです。

〇現時点での健康状態はどうか?
病気の有無、血圧・コレステロール値・血糖値・体重・身長・聴力・視力等の数値の把握などもしっかりしてくださいね。加えてストレスはどうか?も大切です。治療を要する病気があればしっかりしてください。

〇伴侶や両親の健康状態はどうか?
特に親の介護の問題は深刻になってきます。同居しているのか、離れて暮らしているのか、他の兄弟は親の介護をどう考えているか?日頃からコミュニケーションを持ってください。介護に関する知識も必要です。

〇定年後の仕事はどうか?
景気は良くても高齢者の雇用状況は厳しいものがあります。現役の頃からよく考えて行動に移してくださいね。起業を視野に入れる場合は早めの準備をして下さい。

〇現時点で夫婦関係はどうか?
お金の事よりも最優先していただきたい項目です。地域とのかかわりや健康管理、生きがい探しなど多くの面で非常に大きな影響があります。
ひとり暮らしのシニアは、これから先もひとり暮らしを望むのか、あるいは伴侶を得たいのか、しっかり考え、行動してください。

〇地域交流の自信は?
定年後は地域との新たなかかわりが浮上します。地域交流を上手にできるか、否かは今後大きな課題です。地域には宝物が一杯存在し楽しみの多い分野です。

〇ライフワークを見つけられるかどうか?
仕事一筋で歩んできた人にとっては新たな挑戦になります。ボランティア、地域活動、生きがい作り等、考えることは沢山あります。

〇資金計画は大丈夫か?
年金や預貯金など資金計画に落とし穴はないか、これから先の必要資金を見積もってくださいね。高齢期はお金を稼ぐのも、借りるのも簡単ではありません。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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