マナーうんちく話1848《本当に2000万円も必要なの?「高齢期を【幸齢期】にするために①」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:超高齢社会に対応するマナー

「老後2000万円報告書」が大きな波紋を呼んでいます。

65歳から95歳まで生きた場合、平均的な無職の高齢者の夫婦で、生活費の切り崩しが2000万円とか・・・。

加えて要介護の状態であれば3660万という数字も出ているようですね。

さぞかし驚いた人も、不安に陥った人も多いと思いますが、そもそもこれらの数字は一定の過程に基づいた試算で絶対的なものではないでしょう。

日本は世界に先駆けて、世界屈指の長寿国になり「人生100歳二毛作」時代に突入しましたが、長寿社会の捉え方にはいろいろあります。

長寿を喜び、これから先の長い人生を希望に燃え、ワクワクしながら生きる人もいれば、「長寿国=高齢者の多い国」として否定的に考える人も多いでしょう。

さらに高齢期を不安や心配事をいっぱい抱えながら、しょぼくれて生きる人も少なくありません。

後ほど詳しく触れますが、高齢期の不安や心配事は多様です。
しかし「人生=お金」と捉え、資金面での不安は大きなウエイトを占めることは確かです。

では高齢期に必要なお金は、本当はいくらか?
一体全体いくらあれば不安を安心に変えられるのか?

物が豊かで、便利で、選択肢の多い今の日本には、様々なタイプの高齢者が3500万人以上います。

多くの収入があり贅沢な生活を謳歌している人もいれば、少ない収入でやりくりしている人も大勢います。

一般的には、高齢期になると働きたくても働けず、収入はほとんどの場合公的年金になります。

ただ年金だけでは十分な収入には程遠く、夫婦二人暮らしだと95歳まで生きた場合に2000万円不足するので、これを自助で補わなければいけないとのこと。

その手段として、金融商品への投資を促している点にはたいへん違和感を覚えますがいかがでしょうか。ほとんどの人は自助努力をしていると思うのですが・・・。

ただ若い時から一生懸命働き、老後のために蓄えておく努力は大切なことだと感じます。

超高齢期に備えて、自助努力で蓄えておく。
そして高齢期になって働けなくなればそれを使う、ごく当たり前のことではないでしょうか。だからもっと明るい話題を提供してほしいものですね。

ちなみに私は2000万円の数字はまったく気にしていません。
この2000万円はあくまで平均値であり、ライフスタイルやこれから先のビジョンは人それぞれですから、全員が窮地に陥ることではないはずです。

そんなに蓄えも収入もあるわけではありませんが、健康に留意しながら、多方面において様々な生きがいを作り、周囲との人間関係を大切にしながら、自分の収入に見合った生活をすればいいことだと私は思っています。

徳川家康は「不自由を常と思えば不足なし」と言っています。また樋口一葉は「行く水にも淵瀬あり、人の世に窮達なからめやは」と詠んでいます。

水の流れには浅いところも深いところもあるが、人間にも貧しい人もいれば裕福な人もいるという意味です。

テレビ、新聞、週刊誌などのメディアで、一部の評論家や金融関係の専門家が不安をあおるような発言をしていますが、不必要にこのような報道に惑わされることなく、この数字が発表された背景を正しく理解することが大切だと考えます。

その上で、まずは自分のセカンドライフを、どこで、だれと、どのような暮らしをしたいのか?という生活設計をお勧めします。
そしてそれに応じた自分なりのキャッシュフローを考えたらいいと考えます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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