マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
最近やたらと「活」という熟語に触れる機会が多くなった気がします。
「婚活」「就活」「財活」「美活」「産活」等などですが、超高齢社会の到来とともに、にわかに脚光を浴び始めたのが「終活」でしょう。
本来「活」という漢字は勢いよく水が流れる様を表現した字だそうですが、確かに婚活、美活、財活などという言葉には、人生を前向きに過ごしていこうという気迫が感じられますね。
私はホテルでブライダルの仕事に長年携わり、現在は「冠婚葬祭」「接客・接遇」「人づきあい」「洋食・和食」「ビジネス」等を専門分野に持つマナー講師であり、加えて「健康生きがいづくりアドバイザー」「シニアライフアドバイザー」「生涯学習インストラクター」ですから、「婚活」「就活」「終活」に深くかかわっています。
それらの活動を通じて痛感することは、これらの活動における意味や意義や目的などを、まず正しく把握していただきたいということです。
いずれも関連業者にとっては大きなビジネスにつながるわけですから、大変な力の入れようです。
もちろん素晴らしいことです。
しかし、それに売り上げには貢献できるかもしれませんが、その意味や目的や意義を把握していないと、思わぬ結果につながる可能性があります。
終活にしても婚活にしても美活にしても、その最終目的は、長い人生を豊かにハッピーに生きるためです。
終活も同じだと思いますが、基本的な知識や意味を理解されずに活動されている人が本当に多いような気がします。
特に終活は、宗教も絡むようですから宗教の知識や自分なりの宗教観も必要でしょう。
残念ながら日本は公立学校で宗教教育を行っていません。
ちなみに全国にお寺は約75000、神社は約81000存在し、12650万人の国民の内、圧倒的多数が仏教徒であり神道の信者です。
その様な国がクリスマスヤハロウイーンのイベントは盛大に行います。
本場も顔負けするくらいでしょう。
でもお釈迦様の誕生日は、多くの日本人は知りません。
加えて結婚式もキリスト教スタイルに人気が集中しているようです。
その様な状況下において、葬儀は仏式がほとんどです。
だったら先ずは仏教の知識を身に付けて欲しいものです。
それがないと葬儀を何のために、どのように行うかも把握できません。
日本人の死生観にも関心を持っていただきたいと思います。
「あの世」の存在を信じるか?否か?で大きく異なるでしょう。
エントリーシートだけを書くだけが就活ではありません。
出会い系イベントに参加するだけが婚活でもありません。
それと同じように葬儀のスタイルを決め、墓石や仏壇をそろえることが終活でもないはずです。
次回は日本人の死生観について具体的に触れてみます。