マナーうんちく話521≪お心肥し≫
食について多くの知識を吸収して、食を選ぶ力を身に付け、健康的な食生活を送ることが食育の基本ですが、「生きることは食べること」ですから、知育、体育、徳育などとともに大切にしたいものです。
食育を単にバランスのいい栄養面のみに重きを置くのではなく、規則正しい食生活の改善も大切だと考えます。
さらに「心かよう食卓」の大切さも再認識し、社会性やコミュニケーション能力の習得も大切にしたいものです。
加えて食材や料理を作ってくれた人への「感謝の気持」も忘れてはいけません。
食育の範囲は大変広いということと、その重要性をみんなで共用することが大切だと思うのですが・・・。
私はテーブルマナーに関する講義や講演を30年以上発信していますが、30年前に比較すれば食べ物の種類や量は大変増えております。
食べ物に関する安心・安全面もしかりです。
「ここまでやるか」と大袈裟に思うことも多々ありますが、一方では原発を容認しています。
原発事故により、食べ物に甚大な被害が出ている現状も真摯に受け止めなければいけませんね。
日本は食べ物の安心・安全に大変敏感になる一方で、矛盾点もそれに劣らぬくらい多々あるということです。
野菜や魚の姿、形、色、大きさ等にも異常なくらいこだわっている現状も何とかならないものでしょうか・・・。
私も野菜を作っていますから、健全な野菜はある程度大きさや形や色に表れるのはわかりますが、なんといっても太陽の光をいっぱい受け、素直に育った旬の野菜を頂くのが一番でしょう。
いくら姿、形、大きさ、色のいい野菜を手にしても、その後の保存方法や調理の仕方により味も栄養面も大きく変わってきます。
野菜の見た目はほどほどにして、上手な食べ方を身に付けることも大切にしてくださいね。
特に子育て中の親は調理の仕方を大切にしていただきたいものです。
「三つ子の魂100まで」という諺があります。
幼い頃の味覚は、長い人生の食生活に多大な影響を与えるということも心得て欲しいと思います。