マナーうんちく話1745《「秋祭り」に哀愁や風情が伴う理由とは?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

山や川や街が静かな佇まいを見せるようになり、各地で食欲の秋、芸術の秋、体育の秋を謳歌する楽しいイベントが目白押しになっています。

日本の秋を目で、舌で、心で思う存分堪能したいものです。

ところで四季が豊かな日本では、一年を通じ多種多様の祭りが行われます。
まさに祭りは四季を彩る風物詩と言えるのではないでしょうか。

特に秋の祭りは、華やかでありながら、どこか郷愁を誘うところが日本人の心に響くのだと思います。

10月は「神無月」ともいわれます。
これは全国の八百万の神様が日本海を超えて出雲に出張され、神様がいなくなるからだといわれますが、もう一つの意味もあります。

「無」の「な」を「の」と解釈する説です。
つまり「神無月」=「神の月」とする説です。

ちなみに6月は「水無月」ですが、これも「水の月」と解釈されます。
まさに梅雨の月ですから理にかなっていますね。

10月も「神の月」とすれば、全国津々浦々祭りが行われるのが良く理解できます。

祭りは昔から、神様に対していろいろなお願い事をし、感謝するために行われます。

春は収穫を祈念し、秋の祭りは豊作に感謝する意味が強いようですが、今まで無事に過ごせたことに対するお礼や喜びを、いろいろな形で表現するものでしょう。

日本人として、また米を主食にしているものとして、いつまでもかかわりを持つとともに、次世代にきちんとつなげていきたい素晴らしい文化です。

また、祭りといえば「お神輿」ですが、神輿を担ぐときに「ワッショイ」の掛け声をかけますが、これには「和を背負う」という意味が込められているとか・・・。

家族、地域、職場の絆が希薄化する中。是非復活させたい日本の文化です。

そして盛大に開催された祭りが終われば、人も虫も一斉に冬の準備に取りかかるわけです。

今と違って照明も食べ物も乏しく、夜が長く、寒さの厳しい冬を越すということは、本当に生き物にとって大変な事だったようです。

だから秋の祭りにはしみじみとした風情が感じられると思います。

飽食の時代、美食の国に生まれてよかったですね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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