マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
結婚1周年は「紙婚式」ですが、まだこの時期は大半の夫婦は熱い関係が多いと思います。
ヨーロッパではウエディングケーキの頭頂部を夫婦が家に持ち帰り、変質しないように冷蔵庫で保管し、それを紙婚式で食べる習慣があります。
ちなみにウエディングケーキの2段目は披露宴のゲストが頂き、3段目は披露宴に出席できなかった人に配ります。
ところで夫婦の人間関係は一番身近で、長い関係です。
長寿の傾向を受け、25周年の「銀婚式」、50周年の「金婚式」を迎える夫婦も決して珍しくありません。
人生100歳時代を迎え、夫婦そろって100歳のカップルも今後ますます増えるでしょう。
仮に30歳で結婚した夫婦が百歳を迎えたら結婚70周年記念日になります。
結婚60周年は「ダイヤモンド婚式」、70周年は「プラチナ婚式」、そして80周年は「樫婚式」ですが、今後はこのような夫婦も増えるでしょう。
そうなると夫婦関係も年齢により様々な問題が生じます。
一概には言えませんが、10年もたてば育児や家事の問題、20年後には新たなライフプランニング、30年を超えればまた二人だけの生活になり、改めて夫婦関係が大切になります。
また金婚式の頃には「終活」が必要になるかもしれません。
このように様々な年代を経過する中で、必要とされることは、それぞれの時期に応じた《夫婦円満のための努力》が大切です。
とにかく夫婦間の人間関係は人生で最重要課題の一つで、それを維持するには絶え間ない努力が必要ということを心得て下さい。
長年連れ添えば溝が生じ、ひずみも生まれます。
早期治療で対応してください。
「これくらいは大丈夫だろう」という油断が一番危険です。
つまり夫婦の人間関係は《油断大敵》ということです。
人生も夫婦仲も常に山あり谷ありですが、とにかく油断をしないでくださいね。問題が生じればその都度修復してください。
修復より、新しいものと変えようとしないでください。
私はシニアライフアドバイザーとして夫婦の離婚の相談もよく受けますが、ほとんどは修復できます。
1回の話し合いで結論を出そうとしないで、何度でも根気よく話し合うことを強くお勧めします。
加えて相手の言い分に先ず耳を貸して、その後自分の気持ちを素直に伝えて下さい。「聞き上手」を心がけて下さい。
「話し上手の聞き下手」は感心しません。
また、くれぐれも相手を変えようとしないでください。
自分は変えることはできても、相手を変えることは至難の業です。
加えて年齢を重ねれば、褒め合うことも心がけて下さい。
離婚して再婚しても、夫も妻も幸せになった前例は、少なくとも私の周囲にはほとんどありません。
最後に夫婦の人間関係作りのポイントは《コミュニケーション》に尽きるでしょう。
互いに「思いやり」や「感謝」の気持ちを出し惜しみしないで、常に発揮してください。
このコラムで「先手必勝の挨拶」を勧めていますが、夫婦間では「先手必勝の感謝」がとても大切です。