マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
白い色の南風「白南風(しらはえ)」が吹いたら、もうすぐ梅雨明けといわれますが、今年は数十年に一度の大雨とともに梅雨が明けました。
後片付けも済まない間に、いよいよ本格的な夏の厳しい暑さを迎えるはめになりました。
ちなみに7月23日が二十四節気の一つ「大暑」で、暦の上では一年で一番暑い日になります。
くれぐれもご自愛ください。
さらに大暑から2週間後の8月7日は「立秋」になり、いくら暑くても暦の上では秋になります。
ところでこの時期には《暑中見舞い》を出す習慣がありますが、出すタイミングはいろいろな説があります。
〇二十四節気の一つ「小暑」から立秋の前日まで。
〇梅雨明けから立秋の前日まで。
〇立秋の前18日間。
以上ですが、あまり実際の気候とかけ離れてはよろしくありません。
上記3つの説を参考にしながら、差し出す相手の地域が梅雨明けして、一番暑くなる頃を目安にすればいいでしょう。
そして、暑中見舞いは、季節感と相手の健康を伺う内容がポイントになります。
夏の土用の暑さはことのほか厳しいものがあります。
親しい人に心を込めて文字を書く行為そのものが、日頃相手に世話になっている厚情にこたえることになるでしょう。
平安貴族は、和紙に香をしみこませて文をしたためたそうですが、今は物が大変豊かになりました。
書店に行けば、お洒落な用紙が所狭し、と並んでいます。
気の利いた一言を自筆で贈るのもお勧めです。
ちなみに「残暑見舞い」は、立秋から8月31日を目安にしてくださいね。
またこの時期は「団扇(うちわ)」や「扇子」のお世話になります。
いずれもクールビズアイテムとして人気が高いようですが、団扇は中国から伝わりました。
火をおこし、風を呼ぶために使用しますが、蚊や蠅を追い払う小物でもあります。
一方扇子は100%メイドインジャパンの道具ですが、中国をはじめヨーロッパまで普及しています。
結納の儀式や結婚式などでも必要不可欠の優雅な小道具ですが、もとは「穢れや邪気」を払うための物だったようです。
品よく使いたいものですね。