マナーうんちく話461≪手土産の頂き方≫
■はじめに
年々日本を訪れる外国人が増加していますが、外国人が日本に来てなじめない習慣は多々あります。
歴史、文化、宗教、気候風土、食べ物などが違うのですから当然といえば当然ですが、それにしても言葉や礼儀作法など、日本の文化は奥が深いから、なじめるまではかなりの時間と努力が必要でしょう。
日本の「贈答文化」のしきたりもしかりです。
日本人は贈り物をしたり、されたりするのが、世界的にも大変好きな国民のようで、外国人から見ればびっくりするでしょう。
頻度が高く。一年を通じ何らかの贈り物がやりとりされます。
そしてそこには複雑多様な精神文化や大変厳しい礼儀作法が存在し、日本人でも理解に苦しむことが珍しくありません。
例えば日本では贈り物に「現金」が大きな割合を占めますが、これも大変珍しいことで、しかも慶事には新札、弔事には新札は不向きといったマナーが存在します。
加えて、お札を封筒に入れる時にもマナーがあります。
祝儀袋は札の人物の顔の部分が表向きに、不祝儀袋では裏向きになります。
さらに奇数と偶数のマナーもあり、覚えるのに大変です。
また渡し方にもマナーがあり袱紗などを使用しますが、慶事の場合は開いた扇子の上に祝儀袋を載せて渡すマナーも存在します。
結婚祝いを持参するときに活用していただきたい作法です。
私のマナー講座では必要に応じて時折実戦しますが、今では非常に珍しいケースです。
マナーには「なぜ?」そうなるのという合理的理由がありますが、「なぜ?」という理由まで理解しようとすれば大変ですね。
しかし心を形にしたものが作法ですから、理解していただくことにより、より人間関係は円滑になるでしょう。
次回に続きます。