マナーうんちく話1618《どう思う?「ブランド志向」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

頭の先からつま先まで!
ブランド商品で固めた人をよく見かけるようになりました。

それだけ物が豊かになったおかげでしょうか・・・。
それとも日本が、自由度が高いからでしょうか。

ブランド(brand)とは、財やサービスを他の財やサービスと区別するという概念です。
平たく言えば自社の製品を他社の製品と区別させる目的で作られたデザインや名称ですが、様々な分野で、消費者に品質保証するばかりではなく、象徴的な価値をもたらしています。

洋服、バッグ、小物、時計、靴、ネクタイ、ハンカチなどを始め、私たちが日ごろ何気なく食している米にもブランドが沢山あります。

もはやブランドは反乱状態とも思えますが、相変わらず日本ではブランド志向が高いのが現実でしょう。

「みんな身に付けているから自分も・・・」という、日本人の横並び感覚が強いせいかもしれませんね。

あるいは見栄のためでしょうか。
自分の自信のなさを隠すためでもあるでしょう。
加えて日本では、ブランドで人を評価することが多いのも大きな原因だと思います。

ブランドも芸術品です。
とくに有名ブランドには、現在に至るまでの様々な歴史があり、その歴史を正しく理解することで魅力を感じ、愛用することもお勧めです。
歴史の裏には多くの人の計り知れない努力があるものです。

だからそのブランドを身に付けるにふさわしい人間になる努力も大切ではないでしょうか。

特に日本には「慎む」という文化があります。
「謙虚」という美しい言葉もあります。
さらに「身の丈に合った」という諺も存在します。

ブランドの持つ歴史や文化、色使い、クオリティー、デザイン性、上品さや優雅さに敬意を払い、わきまえて振舞えればいいですね。

先日銀座の公立小学校の制服が、イタリアの有名ブランドになるという報道がありました。賛否両論あってしかりでしょうが、私は不快に感じました。
公立の学校であれば中身で競って欲しいものです。

確かに上質のブランドを身に付けるということは、いろいろなメリットもあります。

高価なものだから大事に使う、気分が良くなる、気が高まる、立ち居振る舞いが美しくなるなどがありますが、小学生がブランドの価値を理解するのは難しいでしょう。

成長盛りの生徒にとって大切なことは、ブランド商品を身に付けるにふさわしい人間磨きだと思うのですが・・・。

一人前に成長して、自分でブランド製品が購入できる経済力がついて、始めて身に付けて似合うものになるのではないでしょうか。

学生に限らず大人でもブランドで固めた人が、姿勢が悪かったり、言葉遣いが穢かったり、箸の持ち方が悪ければお世辞にも格好いいとは思えません。

自分自身の価値観を確立して、物の本質が理解できて、自分の内面との組み合わせが上手にできる人が身に付ければブランドも喜ぶはずです。

また日本人は不必要に欧米の文化に流されすぎではないでしょうか。
キリスト教スタイルの挙式、クリスマス、バレンタインデー、ハロウィーンデーなどなどの年中行事もしかりです。

国際化の中、先ずは自国の作法や歴史や文化を正しく理解し、日本人としての誇りを持つことができる教育をしていただきたいものです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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