マナーうんちく話342≪マナー美人⑨「旅館のマナー」≫
「ご縁」をいただく。
素敵なご縁を求めて「初詣」に行かれた方も多いと思います。
私たちは日頃から、プライベートやビジネスシーンで多くのご縁をいただいています。特に日本人は昔からご縁を大切にしており、何かと縁起を担いで「縁起物」や「縁日」にもこだわってきました。
正月の「おせち料理」もそうです。
さらになじみの深いものに「招き猫」があります。
右手を挙げている猫は「金運」を呼び、左手を挙げている人は「人の縁」を呼んでくれるとされています。
無縁社会や孤独死などが大きな課題になる中、人の縁は大切にしたいものですね。
しかし、いくら素晴らしいご縁をいただいても、その縁を生かすことが苦手な人が多いのが現状ではないでしょうか。
折角気に入った職場には入れても、そこで良好な人間関係が築けなくて、職場を去る人が後を絶ちません。
良縁を求めて婚活パーティーに出席したり、お見合いをしても、その縁を生かすことができない人も珍しくありません。
ではどうする?
神様(神道)・仏様(仏教)の国日本には、昔から「縁日」という日がたくさんあります。
縁日とは特定の神や仏と縁を結ぶ日です。
神社やお寺が定めた縁日に参拝して、縁をいただく手もあるでしょう。
幸福を呼んでくれる神秘的な力を有する「お札」をいただくこともいいでしょう。
また、願い事が叶うように「絵馬」を奉納するのもいいでしょう。
でも本当にこれで完璧でしょうか?
やはり縁を生かそうと思えば、できうる限りの努力は不可欠で、自分の力の足らないところを、神様・仏様のご加護にあやかるというのがいいと思います。
そして縁を有効に生かすには、何といってもコミュニケーション力を高めるとともに、家庭や地域や職場で素敵なマナーを発揮することだと思います。
植物を育てるにはその種がいりますがこれだけではそだちません。肥料も水も太陽の光も必要です。人の縁もしかりで、縁をいただいたら互いに理解しあったり、交流を深めていかなければなりません。
この時間はもう二度とこないかもしれない。だから報いのないように接する「一期一会」の気持ちも大切でしょう。
度々の出会いでもすぐに疎遠になることもあれば、一瞬の出会いが永遠になることも多々あります。
何かしら縁があるということは、何かを通じてつながっていたということでしょう。
AIを駆使しても恐らく立証できない不思議な力が働いているかもしれませんね。
だから特別なご縁をいただいたら、感謝する気持ちを忘れないことが大切ではないでしょうか。
初詣で素晴らしいご縁をいただいたら「お礼参り」も大切にしたいものですね。