マナーうんちく話1592《なぜ「日の出」を拝むと縁起が良くなるの?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

初日の出を拝みに出かけられた人も多いと思います。

近くで拝むことができればそれに越したことはないのですが、なかにはかなり遠方まで無理して出かけられた人も多いのでは・・・。

確かに初日の出にあやかることができれば、なんとなく縁起がいいように思え、苦労の甲斐がある」というものでしょう。

ではなぜ初日の出を拝むようになったのでしょうか?

今から1300年位昔のお話になります。
国家としては世界屈指の長い歴史を誇る日本には、実にユニークな物語がたくさんあります。

天武天皇の命を受け編集された、日本最古の歴史書である「古事記」に、「天の岩戸開き」という物語があります。

太陽神である天照大神が、弟君の乱暴な行為に心痛められて、岩でできた天戸という洞窟にかくれてしまいました。

そうするとこの世はたちまち闇になり、多くの禍が起こりだしました。
そこで非常招集された八百万神が集い、「どうすれば天照大御神を岩戸から出せるか」について作戦会議を開きます。

実行された作戦は「天宇受売命(あめのうずめのみこと)が、岩戸の前で面白おかしく踊るというものでした。

神々がこぞって爆笑するので、天照大神も気になって岩から身を乗り出され、この瞬間に注連縄が張られ、結局外へ出てしまわれたわけです。

すると再び日が照るようになり、生き物が元気を取り戻しました。

つまり正月に初日の出を拝むのは「今年一年間、太陽の恵みを存分に受けられますように」との願いを込めるわけです。

日常生活において、太陽の存在のありがたさは古今東西普遍です。

縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代と歴史はさかのぼりますが、古事記は712年に編集されています。

そんな昔の物語に誘われて、今でも多くの人がその影響を受けているわけですね。
不思議といえば不思議な気がしますが、このようなことは多々ありますね。

ちなみに「ご来光」とは、日の出を敬った表現で、高い山の頂上で見る荘厳な日の出のことです。
おそらく日本独特の文化でしょう。

日本には昔から山岳信仰が根付いており、山から見る日の出は特に神秘的にとらえられたのでしょうか。
幸多い年になりますように・・・。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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