マナーうんちく話73≪話好きになる方法とは?≫
秋晴れの気持ちよい日が続いていますが、秋の絶好の季節を表現する言葉に「天高く馬肥ゆる秋」があります。
本来の意味は、空が澄み渡り、気候が良くなると馬が食欲を増し逞しく肥えてくると、それに乗った盗賊がやってきて、収穫したての穀物を奪い去るので、収穫時は特に注意が必要と警告した言葉です。
現在では、心が前向きになる響きがあり、食欲の秋、読書の秋、文化の秋、スポーツの秋を謳歌しようという意味で使用されていますね。
物が豊かで便利な時代になったので言葉の意味も少しずつ変化しているのでしょうか・・・。
確かにネットやスマートフォンの普及により世の中が激変しました。
長年若者から中高年齢者の様々な研修や自立支援にかかわっていますが、最近若者のみならず中高年齢者の中にも家に閉じこもりがちな人が増えてきた感があります。
インターネットやスマホを上手に利用することで、あらゆる情報に簡単にアクセスできる時代です。
また物を売ったり買ったり支払いもできるし、ソーシャル・ネットワーキング・サービスでいつでも、どこでも、誰とでも手軽につながることも可能です。
外にわざわざ出ることもなく、部屋にいて、誰にあうこともなく、多様な人とつながりが得られるとしたらメリットは大きいと思います。
リスクは少ないという利点もあるでしょう。
しかし本当にそれだけで真の心地よさが得られるでしょうか?
本当の共感や感動は少ないと思うのですが・・・。
私は、スマホは使いません。
メールも必要最小限です。
だからといって交流が少なく、寂しい思いは一切ありません。
名が天付き合ってきた学生時代の仲間を始め、仕事仲間、地域の人、趣味の会など年々交流範囲が増えている気がします。
電話もメールの実は多くの人と交流ができて便利が良い道具ですが、互いに同じ場所を共有することはありません。
気の置けない仲間と同じ場所で、なにかをすることにより、より親密度は増してきます。
しかし携帯電話でダラダラ話をしても、メールでやりとりしても、同じ運命を共有することは難しい気がします。
天候に恵まれた今の時期は、スポーツにせよ、芸術活動にせよ、観光や旅行にせよ、普段は会うことの少ない人と、出会う機会も多いと思います。
積極的に外に出ていろいろな人に会い、心を開放して、語り合い、共感を重ねるところに実りがあると考えます。
自分磨きにもなるでしょう。
最近の公民館講座なども非常に豊富な内容で展開されています。
値段も手軽に気軽に参加できるでしょう。
さらにスポーツ観戦も音楽鑑賞もいいでしょう。
名前も知らないし、世代も異なる人と気軽に心をかよわせることができます。
ネットやスマホ文化は便利な反面、人と共感しあう文化を遠ざける気がしてなりません。
今や必需品であることは否定しませんが、怖いのはそればかりに依存する環境で育てば、他者を受け入れることが難しくなり、いびつな人間関係ができてしまうことだと思うのですが・・・。
神奈川県で発生した前例のない殺人事件は、ネットの暗部を垣間見ている気がしてなりません・・・。