マナーうんちく話1455《「八十八夜」のお茶はなぜ縁起がいいの?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

「薫風自南来」。
風香ると表現され、まさに一年で最も心地良い五月です。
新緑の間を吹きわたる風の香りを身体全体で感じて、爽やかな気分に浸って下さい。心が洗われます。

五月の声を聞けばすぐにやってくるのが「八十八夜」で、お茶の新芽を刈り取る季節です。

《夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る、あれに見えるは茶摘みじゃないか・・・》と歌にも歌われております。

ちなみに雑節の一つである「八十八夜」は立春から数えて88日目で、平成29年は5月2日です。

そしてこの時期に摘んだお茶は、美味しくて、栄養価が高いばかりでなく不老長寿に効く大変縁起がいいお茶とされています。

なぜ縁起がいいのでしょうか?
このコラムでも何度も触れましたが、日本は稲作を中心とした農耕文化で栄えた国です。
米が全ての生活の基盤になっていたわけです。
つまり米は日本人にとって、単なる食べ物ではなく、それを超越した特別な存在だということです。

ところで「米」という漢字を分解すると、「八」「十」「八」になるのをご存知でしょうか?

だから縁起が良いとされるわけですが、新茶には初々しさが漂い、綺麗な緑は「再生」を意味すると言われております。
如何にも気分がリフレッシュしてヘルシーになれそうですね。

お茶は奈良時代に仏教と共に日本に伝わったとされていますが、新芽で作る色鮮やかな煎茶は、江戸時代に庶民にまで普及したそうです。

何でも江戸時代には最高級のお茶を「壺」に入れて将軍に届ける行列があったとか・・・。

如何にお茶が貴重なモノか?が伺えますね。
今ではそんなお茶でも、庶民が手軽に味わえるようになったわけですからありがたい限りです。

そして科学の進歩のおかげで、お茶の健康効果も色々と新しい効能が発表されていますが、八十八夜のお茶は心と身体に効きそうです。

但し飲み終えたお茶をそのまま捨てるのはもったいない限りです。
ガーゼなどに包みお風呂に浮かべて下さい。

端午の節句には「菖蒲湯」が有りますが、それより一足早く「お茶風呂」と洒落てみて下さいね。
爽やかな香りと共に心と身体がリフレッシュするでしょう。

このように季節と丁寧に向き合うことで感性が磨かれ、公私とも様々な効果が期待できます。

ゴールデンウイークの長期休暇を利用して海外に出かけるのもいいですが、一年で一番爽やかな季節です。
自然に寄り添うのもお勧めです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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