マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
桜前線や花見情報などこれからしばらくは桜の話題で盛り上がる時期ですね。
科学が発達したおかげで最近では桜が開花する時期が正確に解るようになりましたが、「3部咲き」「5分咲き」「満開」などと何段階にも分けて情報が発信されるようなことは世界でも珍しいことではないでしょうか。
いかにも日本人らしい文化だと思います。
ところで今回は西洋の「レディーファースト」の文化に触れてみたいと思いますが、この言葉からはどんなイメージをお持ちでしょうか?
日本は仏教の影響を強く受けておりますが、アジアのマナーも宗教の影響が大きく、相手の価値観や習慣は尊重する事が大切です。
また西洋においては中世になりキリスト教が庶民にも普及しますが、まだこの時期では女性の地位は高くはなかったようですね。
それが十字軍の遠征の頃になり、女性はレディーとして扱われ、17世紀になると夫人に対するマナーが確立したと言われております。
そして明治になり日本にも西洋文化がどっと流れ込んできたわけですが、西洋のマナーも例外ではありません。
今までは「男性優位」であったところに、「女性を優先する文化」が入り込んできたわけですから迷うことも多々あったと思います。
さらに欧米諸国に視察研修に行った若手リーダーたちが帰国後欧米諸国の文化を広めていったことは容易に想像できますが、レディーファーストの普及は一部の階級にとどまっていたのではないでしょうか?
しかし今では民主主義も発達し、女性の活躍推進や仕事と生活の調和である「ワークライフバランス」を図り、仕事も子育ても両立したいという気風がすっかり定着してきた感が有ります。
業界や企業風土もあり、全てが理想通りではないにせよ、職場においては女性の活躍は目覚ましく増えてきたことは確かです。
ではレディーファースト文化の普及は如何でしょうか?
あまり浸透していないような気がします。
ちなみに公共の場では、女性や高齢者や子供など弱い立場の人を優先させ、気遣わなければなりません。
レディーファイストはまさに女性に配慮して、女性を上位にみなす文化であり、対応は上位者への対応と同じで、下記の様な対応が必要です。
○歩道を歩く時には男性が車道側を歩き女性は内側を歩きます。
○重い荷物は男性が持ちます。
○部屋の中や乗り物では女性に席をゆずります。
○階段では基本的には女性が上になります。エスカレーターも同じですが、女性がよろけても下から男性がしっかり支えるためです。
○これが出来る日本人男性はまだまだ少ないようですが、レストランでの振舞いです。「案内係がいるレストラン」では案内係のすぐ後ろは女性で男性はその後ろになります。「案内係がいない時」には男性が先に歩き女性をエスコートします。つまりいい席まで案内して椅子を引き女性を座らせます。
○部屋に入る時には男性がドアを開けて女性を通します。
○車では男性がドアを開け女性を上座に乗せ、降りる時には男性が先に降り女性をエスコートします。特に女性が着物やロングスカートの場合は注意して下さい。
次回に続きます。