マナーうんちく話535≪五風十雨≫
身も心も引き締まるような冷たい風ですが、既に春は産声をあげ、日差しも僅かですが確実に長くなってきました。
深呼吸をいっぱいして、身体全体で春の到来を感じてみるのもお勧めです。
但し花粉症シーズンに突入です。
ご注意ください。
ところで多くの女性のハンドバッグにはスマートフォンや携帯電話が入っていると思います。
ちなみに平安時代にはすでに巾着袋があったそうですが、当時は火打石を入れていたとか・・・。
それが明治の文化開花と共にバッグが輸入され、昭和初期には「ハンドバッグ」と呼ばれるものが流行し、洋服文化と共に財布、ハンカチ、鍵、化粧セット、裁縫セットを容易に持ち歩けるようになりました。
いずれも当時の女性にとっては必需品のようでしたが、最近は針を持つ人は少なくなりました。
しかし毎年2月8日の針供養のイベントは話題になります。
昔の女性にとって、裁縫は料理や洗濯や掃除と共にとても大切な仕事です。
だから裁縫の上達を願って一年に一度針の供養をしたわけです。
もともと2月8日は「事始めの日」で、農耕をスタートさせる日です。
そして12月8日は「こと納めの日」で、農耕作業を終える日です。
従ってこれらの日は針仕事を一時休止しなければいけません。
今では何もかも豊かになりましたから、服や靴下を修繕してまで着ることも履くことも少なくなりました。
また家庭でお母さんが、子どもの為に服を自分で縫い、新調することもしかりでしょう。
ちなみにお母さんが手造りの着物を綺麗に仕上げるには「躾糸」が必要不可欠です。
それと同じように子どものしつけにはマナーが大切です。
新入社員しかりです。
「躾」は身を美しくと表現します。
「身」は身体と心です。
つまり躾とは、親が子どもにキチンとした「道しるべ」を示すことです。
そうする事により子どもは道を踏み外すことなく、身も心も美しく育っていくことになります。
親が子どもに正しくしつけることにより、子どもは品格を備えた大人へと成長していくわけです。
職場もそうですね。
パワハラが社会問題になっていますが、上司や先輩が新入社員に対して良き見本を示すことはとても大切です。
仕事のみならず、大人としての品格を持って頂きたいものです。
最近は褒めて子どもや新入社員を伸ばすやり方が主流になっているようですが、褒めることも注意する事も大切にしたいものですね。