マナーうんちく話1366《子どもにマナーを教えることができますか?②》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:親に身につけていただきたいマナー

この度文部科学省の問題行動調査で、全国の国公私立の小中高、特別支援学校において「いじめ」が224540件発生していたことが解りました。

内容は全体の6割以上を占める「冷やかしや悪口」が最も多く、パソコンや携帯電話での誹謗・中傷は4%くらいであったとか。

つい先日も原発事故で移住してきた子どもに対してのいじめが報道されましたが心が痛みます。最もしてはいけないいじめでしょう。
そして、いじめで自殺した児童生徒は9人だったようです。

加えて年間30日以上欠席した不登校の小学生が約27581人、中学生は98428人、高校生は49591人でした。

この数字を多いとみるか、致し方ないと見るか、捉え方は人それぞれだと思いますが、私は非常に由々しきことだと思います。

地球上に存在する190か国あまりの国でも、日本の義務教育はトップでしょう。世の中には貧しいが故に学校に通いたくても通えない子どもが非常に沢山います。

チャイルドラバー(児童労働)と呼ばれる、学校に行けなくて労働を余儀なくされている子ども、日本の人口より沢山いると言われています。

そんな中、衣食住に恵まれ、四季の恩恵を受け、平和な国に生まれ育ちながら、育ち盛りの時に、まともに学校に通えない児童生徒がこんなにいることについて大変残念に思います。

大人がもっとマナーの大切さを認識し素敵に発揮できれば、かなり改善できるのではと思うわけです。

今は確かに豊かで便利な世の中になったけど、モラルは乱れている気がしてなりません。先ずは大人が子どもに良き見本を示すことが大切だと痛感します。

ナポレオンの名言に「子どもの未来は母親に委ねられる」とあります。
どんな立派な事を大人が子どもに言っても、子どもは親のなす通りに育つという意味です。

親が子にキチンと良き手本を示し、子どもが世界屈指の長い人生を心豊かに生きていくために、必要なルールやマナーを教えることが何より必要です。

親が子どもと一緒に愚痴を言ったり悪口を言ったり不平や不満を言ったら、子どもにとってはよろしくないでしょう。

しかし、躾の一環として子どもにマナーをキチンと教えてあげれば、善悪の基準もしっかり見に付けさせられるはずです。

人に迷惑を掛けない事を原点としてこの世の中は成り立っています。
「いじめ」はするほうが100%悪いということをしっかり認識することも大切です。

日本は個を主張する前に、他者との調和を大切にしてきた国民です。
だから箸の持ち方にも気配りするわけです。
「忌み箸」の数が実に70以上あるのもそのためです。

マナーを教えてもらえない子どもは英語や数学の点には影響が無いかもしれませんが、社会に出たら苦労すると思います。就活、再就職支援、社員職員研修に長年携わって痛感しています。

子どもの人格を認め、深い愛情で包むと共に、大人が家庭や学校や地域で素敵なマナーを発揮し、子どもを正しい方向に導いていきたいものです。

ちなみに日本のマナーは「感謝」「思いやり」の心を根源としますが、年中行事の中にそのヒントが凝縮されています。

不必要に西洋かぶれするのではなく、もっと日本の伝統行事を大切にし、子どもに正しく伝えることも、いじめや不登校の防止に繋がると思います。

最近学校にもマナーの講演によく伺います。
生徒に熱心に聞いて頂くことも大切ですが、先ずは教職員と親に聞いて頂きたいと思うわけです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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