マナーうんちく話662《冠婚葬祭マナー2、「冠」のいわれと内容①》
手水舎で手と口を清めて一礼して退くと、いよいよ社殿の前に立ちます。
お気づきの方も多いと思いますが、社殿の前には必ず「賽銭箱」が有ります。
長方形をしており、中央に向かって2枚の板が斜めにとりつけられている箱です。
神社や寺には付き物で、私たちは当たり前のようにしてお願い事をしているのが常ですね。
では何のためにお賽銭を入れるのかご存知でしょうか?
恐らく、お願い事をするに当たり無料だと申し訳ないので「お願い賃」と思っている方も多いと思います。
実はお願の為ではなく、お賽銭は「御礼のため」に収めるというのが正解です。
つまり前回お参りして願い事を叶えていただいたお礼として納めるのが正しい認識です。
次に気になるのが、いくらお賽銭を収めればいいのということですが、目安になるのは前回どんなお願い事をして、何を叶えて頂いたかということです。
自分にとって大変大きなお願い事をして、それが神様のお陰を以って成就したとなれば、それに見合う金額を収めればいいです。
前回のお願い事は、ほんの些細なことだと思えば少額でもいいと思います。
もともとお賽銭も香典と同じように米のような品物で納めていたのですが、室町時代になってお金になったとも言われています。
そういえば今でも米を持参する事もありますね。
ではお賽銭はどのように使われるのでしょうか?
一般的には、神社の管理費や修繕費等に充てられることが多いようですね。
自分が納めたお賽銭で、神社の境内が清潔に管理され、後からお参りする人が心地良い状態でお参りが出来れば、納めがいが有りますね。
祈願成就の感謝の気持ちでお賽銭を収める。
出来る限り投げるのではなく、静かに賽銭箱に納めて下さい。
このような認識が有れば、日常生活やビジネスシーンでも、何かあれば「ありがとう」のお礼の言葉が素直に出て来るようになります。
参拝の作法は、社会生活を円滑に営むためにも是非身に付けて頂きたいものですね。