マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
日本は四季が明確に分かれているせいでしょうか?
年中行事の数は世界屈指だと言われています。
明治以降から続いている行事は国内で生まれたものや中国などから伝わったものが多いのですが、明治以降からのものは欧米諸国から入ったものが多いようです。
それが商業主義に乗り、瞬く間に生活の中に浸透したのがクリスマス、バレンタイン、母の日、父の日、そしてハロウィン等ではないでしょうか?
欧米を中心に10月31日に開催される「ハロウィン」の関連商品がはやくも話題になっています。
千載一遇の商機とばかりデパートやホテルや小売店、さらにイベント会社などが多彩な戦略を展開していますね。
加えてマスコミが大々的に取り上げた結果、そのあおりを受け神様(神道)・仏様(仏教)の国でも、このイベントはクリスマスイベントに引き続き、キリスト教国をしのぐ勢いになった気がします。
しかし、神道を崇拝し、米を主食にしている日本には伝統的な日本人ならではの年中行事が沢山あります。
現在は、何もかも欧米化された生活スタイルにマッチしないかもしれませんが、それらが持つ意味や意義を再度見直し、国際化に備えたらと思うのですが・・・。
先人が長い月日をかけて育んできた日本古来の年中行事には、一概に昔からの因習として置き忘れてしまうには、あまりにも重要な意味や、素晴らしい内容が含まれていると考えます。
たとえば日本の「秋祭り」などは、人と人との交わりや、付き合いに必要不可欠である生活の知恵として、受け止めたいものです。
最近核家族化が進み、さらに超高齢化と少子化が同時に進行し、無縁社会と言われるキーワードが蔓延し、家族、地域間の会話や交流が薄れ、「向う3軒両隣」がなくなりました。
そのせいで独居暮らしが増大し、「孤独死」や「無縁仏」等の言葉が飛び交うようになったことは非常に由々しきことで、先進国としては恥ずべき現象だと思います。
今こそ、私たちが祖先から受け継いだ貴重な日本の文化を見直し、暮らしの知識や知恵を深め、対人関係力を再構築したいものです。
次回は「秋祭り」にふれてみます。