マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
美しい露で濡れた草木から秋の深まりが感じられる時節ですが、朝早くの散歩は朝日を受けてキラキラ輝く秋を実感する事が出来ます。
そして「食欲の秋」という言葉に相応しく、美味しい果物が出回りますが、昨日梨狩りに出かけた友人から梨を頂きました。
日本で「梨」が食べるようになったのは意外に古く、日本書紀にも登場するとか。今の様に美味になったのは、幾度も品種改良がなされた明治になってからだと言われていますが、日本の秋を代表する味覚です。
ところで日本は平和で豊かな国のせいでしょうか・・・。
昔から何かに付けて物を贈る習慣が有ります。
特に旅行に行けば、知人友人にお土産を買い求めるのが普通です。
世界に比べれば珍しい習慣だと思いますが、お土産を通じ「おもてなしの心」を発揮する素晴らしいしきたりだと思います。
では、物を頂いた時に、それが自分にとってあまり嬉しくないものだったらどうします?
①あまり嬉しくはないが、とりあえず事務的にお礼を述べておく。
②何はさておき「喜びの気持ち」と「感謝の気持ち」を、心を込めてする。
恐らく①か①と②の中間くらいの人が多いと思いますが、良好な人間関係を築くのが上手な人は②のタイプだと思います。
確かに物質的には世界的に豊かな国ですから、頂いた物すべてが自分の必要な物、あるいは嬉しいものであることは少ないと思います。
しかし、大切なことは、相手は自分の為に時間を割いてその品物を選び、さらにお金まで出してくれたことには間違いありません。
だからそれに対しては、感謝の気持ちと喜びの気持ちは素直に表現することが大切だということです。
だから「うれしい」「ありがとう」の言葉が笑顔と共に必要になるわけです。
これで時間を割いてくれた相手も喜ぶというものです。
つまり「いただく側」も「差し上げる側」も嬉しくなり、その品物が生きて来るわけです。加えて、頂いた物を美味しく食べたり、活用したりすることを知らせることも大切でしょう。
こうなると相手は嬉しくなり、また貴方のために尽くしてくれます。
食事にご馳走った時等も同じで、いかに喜びを表現できるかです。
ポイントは少々大袈裟すぎるくらいがいいでしょう。
是非実行してみて下さい。