マナーうんちく話87≪ハッピーな食卓とは?≫
二十四節気をさらに三等分した「七十二候」では、7月12日から16日頃までが「蓮(はす)」の花が咲く頃ですが、温暖化のせいでしょうか?
新聞紙上で早くも蓮の花の記事がお目見えしました。
そしてこの時期は全国各地で観蓮会が開催されるわけですが、楊貴妃の美しさに例えられる蓮の花の美しさは、誰しも知るところですね。
ところでレストランや喫茶店に入ると、最初に出て来るのは「水」ではないでしょうか。店によってはこれに「お絞り」が加味される場合もあります。
水にせよ、お絞りにせよ、日本ではまず伝票に記載されることはありません。
当然それなりの手間暇も経費もかかっています。
にもかかわらず無料が当たり前になっているのは、昔から日本人が飲み物や食べ物を通じて、いかに「おもてなしの心」を大切にしてきたかということです。
だからこそ、この水は美しく飲みたいものです。
でもその前に、水を出されたら「ありがとうございます」の言葉を発して下さい。
そしてこのシンプルな水を美しくいただいて下さい。
グラスを丁寧にもつことがポイントです。
親指以外の4本の指を揃えて、グラスの下側を持つだけで、とても美しくなります。勿論他の飲み物にも応用可です。
これで第一印象がとてもよくなります。
グラスを美しく持つ二つ目のポイントは「脇」です。
脇をしっかり締めて下さい。
以上2点に注意して頂ければ格段に美しい飲み方になります。
さらに水と共に接する機会が多い飲み物といえば「コーヒー・紅茶」ではないでしょうか?これらは日本茶と共に独特の文化を持っています。
それだけに優雅に味わいたいものですね。
ポイントは「音をたてない」ことです。
加えて飲む時に、カップに口を持っていくのではなく、口にカップを運び、カップを適度に傾ければいいでしょう。
姿勢を正し、右手で持ち手を持ち、口に運ぶわけですが、猫背にならないように注意して下さいね。
紅茶は別として、コーヒーは基本的にはソーサーを持ちません。
ちなみに「ソーサー」とは、カップの下に置く受け皿のことです。
「泥より出で、泥に染まらず・・・」という言葉がありますが、蓮は昔から清らかさの象徴とされています。
観蓮会などでは、蓮の葉に酒を注いで飲む独特の飲み方もあるようですが、蓮に限らず、美しく、清らかな花を愛でながら優雅にティータイムを楽しむのもいいモノですね。