マナーうんちく話535≪五風十雨≫
ひと歳重ねると時の流れを早く感じるようになりますが、今年もはや一年の折り返し点がやってくる頃になりました。
身も心も健やかに保ち、年の後半に備えたいものですね。
ところで6月のことを「水無月(みなづき)」といいますが、しっとりと雨の風情が漂う月で、水に縁が深くなってまいります。
「水無月」の由来は、稲作を中心とした農耕文化で栄えた国らしく、農事との関わりが深いようです。
田植えも終わって農事が「みな尽きる」という説や、農作物が畑に「みな着く」と言う説があります。
英語では「JUNE」と表現されますが、これは昔のローマで結婚及び出産の女神である「JUNO」を祀ったのが起源だと言われていますね。
そういえば「6月の花嫁は幸せになれる」と言う説がありますが、これは「JUNO」に見守られて素敵な結婚が実現してハッピーになれるからと言われています。
ちなみに、昔のヨーロッパでは3月から5月までは農作業が非常に忙しく、この間は結婚が禁じられていました。多忙期に結婚のイベントが生じると農作業に支障をきたすからです。
だから6月になれば結婚ラッシュになるわけですね。
そして6月は「衣替え」の時でもあります。
季節により衣服を変えるのは四季が明確に分かれている日本ならではの習慣ですが、平安貴族に端を発します。
現在では日本は「飽食の国」になり食べ物には大変恵まれていますが、ファッションにおいても世界屈指と言えるでしょう。
しかし昔はそうはいきません。
特に衣服はそんなに簡単に作ることはできないとても貴重品です。
だから着る物をとても大切にしたわけです。
例えば衣服を長く着用して痛んできたら、洗い張りをして元の状態に復元する努力をして長持ちさせます。
リサイクルが当たり前の時代です。
さらにその季節・季節を快適に過ごせるように、さらに工夫を凝らします。
例えば和服の場合は6月と9月は「ひとえ」、7月と8月は「絽(ろ)」、10月以降は「あわせ」というルールがあります。
このように季節毎に取り換えることにより、衣服が傷んでいるか否かを点検すると同時に、必要な修復をして大切に使用します。
現在は「クールビズ」という言葉が主流で、早々と5月からスタートしており、普段の服装に歴然とした違いはみられませんが、この時期にワードローブの整理してみるのもお勧めです。
時代がいかに変わろうとも「食べ物」や「着る物」を丁寧に扱い、大切にしたいものです。
そして「少子化」に歯止めがかかりません。
その打開策は、結婚しかないと考えますが、すればいいものではありません。
「不幸せな結婚」は当事者のみならず周囲の人も暗くしてしまいます。
「幸せな結婚」についてさらに真剣に考える必要があると思うのですが・・・。