マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
「晴れの国」岡山も県南と県北では気候・風土もかなり異なりますが、先日県北で「福寿草」が見頃を迎えているというニュースが流れました。
雪の中で虎視眈々と花を咲かせる準備をしながら、やっと咲いた花は特に愛着を感じます。
そして3月5日は二十四節季の一つ「啓蟄」です。
非常に難しい感じですが「啓」には「夜が明ける」とか「ひらく」と言う意味があります。
寒い中、地中ですごした虫が大地の扉を開いて、土の中から出て来る様子を表しているのでしょう。
一方「蟄」には「土の中で眠っている虫」と言う意味がありますが、当時のことですから「ハ虫類」「哺乳類」「両生類」等の分類は有りません。
トカゲも蛙も蛇も含まれます。
草木の芽吹きと共に、地上に顔を出すものは沢山あります。
この時期、土の中から愛らしく顔を除ける「つくし」も、なじみが深いまさに旬の食べ物ですね。
筆によく似ているから漢字では「土筆」と表現されます。
さらに、土筆に続き「ワラビ」や「ゼンマイ」などの山菜が賑わいを見せてくれそうです。
以前このコラムでも書きましたが、「春の食卓には苦みを盛れ」といわれますが、本当に理にかなっている気がします。
そして、この苦みが長い冬の間に身体の中にたまった、不純物を出してくれる役目があるそうです。
先日の「桃の節句」や卒業式や合格通知など、人の世界でも季節の節目を迎えていますが、「啓蟄」とは、花も虫も人も「さあーこれから頑張るぞ」と眠気まなこながら、意気込みを開始する頃です。
身も心もシャキッと整えて、前向きに歩んでまいりたいものですね。