マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
【西洋文化を尊重しつつも、自国の文化・作法も大切に・・・。】
四季が美しく、神様(神道)・仏様(仏教)の国である日本では、豊作、長寿、子孫繁栄、厄除け祈願等に関する年中行事が多いようですが、クリスマスのイベントもキリスト教国に負けてはいません。
色々な捉え方があってしかりだと思いますが、クリスマスプレゼントを贈り合う思いやりの心が旺盛であると共に、平和で豊かな国だからこそではないでしょうか?加えて、外国の文化を素直に受け入れようとする国民性や、商魂逞しさも影響しているかもしれませんね。
しかし、情報化や国際化が進展している時代だからこそ、風雪に耐え、脈々と伝わっている自国の文化や伝統行事にも関心を向ける必要があるのではないでしょうか。
特に古来より受け継がれている年中行事は、先人達が自然や、目に見えないものや、人に対して思いやりの気持ちを発揮するため、加えて、より良い生き方をするために、今に伝えている生活の知恵でもあります。
【正月行事の「なぜ?」を理解して下さい】
そして、その一つひとつには、「なぜそうするのか?」と言う合理的な理由があります。世界一多いと言われている年中行事の中でも、日本人が一番大切にしている「正月行事」もしかりです。その理由を理解することで、より納得し、行動しやすくなり、正月がさらに楽しくなります。
ここで改めて、様々な正月行事の意義と意味、神道や神社、歳神様に触れておきます。キリスト教の文化とは異なった様々な精神文化をくみ取って頂ければ嬉しい限りです。
そして、情報化、国際化が急激に進展している時代だからこそ、自国の文化や宗教やしきたりに精通し、次世代にも正しく伝え、さらに諸外国に向けて発信する必要性を感じていただけたらと思います。
ところで、四季が明確に分かれている日本には年中行事が多々あります。
中でも「お正月」は最も長い歴史を有する行事の一つです。
【「ハレ」の日と「ヶ」の日】
もともと神道の日本では、正月になると「歳神様」と呼ばれる先祖の集合霊が各自の家にお帰りになると信じられていました。
従って正月とは、里帰りされた歳神様をお持て成しする特別な日です。
しかし、最近日本古来の「ハレの日」の感覚が薄れてきた気がしてなりません。
ちなみに、「ハレ」の日とは、神聖な食べ物とされている赤飯やお餅を食べ、酒を飲む特別な日です。
つまり、祭礼や年中行事をとりおこなう日のことです。
これに対して、日常の生活は「ケ」の日です。
「日常」と「非日常」を分けており、晴ハレの日は晴れ着を着て、晴れ舞台に立つわけですね。
次回に続きます。