マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
英語で1月から12月を表現できる人は沢山います。
では、旧暦の「和風月名」を、1月から12月まで全て言える人はどのくらいいるのでしょうか?
和風月名には日本人独特の風情を感じますが、それは和風月名がその月に相応しい呼び名だからです。
そして、四季が美しい日本だからこそです。
11月は霜が降りる月だから「霜月」、10月は神様が出雲に出張して留守になる月だから「神無月」、9月は夜が長くなる月だから「長月」と言います。
また、1月は正月早々みんな仲睦ましくやっていこうという意味で「睦月」と言います。
このように和風月名には「月」が付くものが多いのですが、12月は「師走(しわす)」と表現され「月」がつきません。
また、前にも触れましたが「除月」ともいいます。
今までを払い除いて新年を迎えるという意味ですが、忘年会や除夜の鐘の意味ともよく似ていますね。
ところで、師走の他に「月」がつかない月がもう一つありますが、ご存知でしょうか?
答えは「弥生(やよい)」です。
「いよいよ生えいずる」と言う意味で、春の到来を告げる大変美しい名前です。
現在のように照明も暖房も非常に不自由していた時代ですから、短い夜と、冬の寒さから解放されるということは、大変嬉しかったと思います。
春の芽吹きが期待できる、とても素敵な名前ですね。
では「師走」はどうでしょうか?
12月の最も大きなイベントは、キリストの誕生を祝う「クリスマス」になっていますが、師走の語源は仏教に由来するものでしょう。
正月を迎えるに当たり、祖先の霊のいる所を綺麗にし、師(僧)を呼んでおお経をあげてもらわなくてはいけないので、お坊さんが走る回るくらい忙しくなるわけですね。
それが江戸時代になると、多くの人が読み・書き・そろばんに精を出すようになり、先生に対する挨拶が定着し、お坊さんが走る意味から、先生が忙しくなる意味に転じたようです。
また四季が果てる意味の「シハツ」が語源だという意味もあります。
さらに、12月は1年の最後の月ですから、今のうちにやらなければいけないことは、全部やってしまうという意味の「シハツ(為果つ)」が語源だという説が在るようですが、明確な答えは有りません。
いずれにしてもキリストには無縁のようですが、12月になると同時に、クリスマスイベントが盛大に繰り広げられるわけですから、和風月名の風情は失せてしまいました。
でも、一年をしっかり振り返り、新たな気持ちで新しい年を迎えたいですね・・・。
何かと慌ただしくなってきます。
ご自愛の上、元気でご活躍下さい。