マナーうんちく話401≪喪中はがきの知識ととらえ方≫
いままで「忌中」「喪中」について触れてきましたが、ここで改めて喪中葉書に詳しく触れておきます。
喪中葉書は、当然江戸時代には存在していませんが、郵便制度が完備してくる明治以降に生まれたものと考えられます。
しかし、一般庶民とは縁のない所で、ごく限られた階級の人達の間で行われていた習慣ではないでしょうか?
そして戦後しばらく経過して、結婚式と同様、関連業界が売上向上対策として広めたのではないかと思います。
このような例は様々な業界で存在しています。
「喪中葉書」は、「年賀欠礼の挨拶状」の意味が濃厚です。
つまり、「身内に不幸があり喪中なので新年の挨拶を欠く」ことを知らせる旨の挨拶状です。
平たく言えば、「今年は身内に不幸があったので、年賀状でおめでとうとはいえません」。「年賀状は出していませんが、貴方に出すのを忘れてはいませんよ」ということを、年賀状で新年の挨拶を取り交わしている人に事前に通知するための葉書です。
では、喪中葉書は何時出したらいいのでしょうか?
相手が、年賀状を用意するまでに出すことが大切です。
年賀状を早くから用意する人もいれば、年末のギリギリに書き始める人もいますので、一番良いタイミングは難しいですが、念のため11月中旬から、遅くとも12月の初めがお勧めです。
年賀状の受け付け開始は12月15日ですから、それ以後は感心しません。
12月に不幸が有れば、「忌中葉書」もありかなと思いますが、一般的ではありません。
従って、慌てずに「松の内」開けの1月8日から「寒中見舞い」を出されてもいいでしょう。遅くとも立春までには出して下さいね。
ちなみに、寒中見舞いは四季が明確に分かれている日本で、一年で最も寒い時期に相手の健康状況等を伺う挨拶状だったわけですが、現在は喪中葉書に関連する用途が多いですね。
それから、喪中なのでこちらからは年賀状は差し控えるけれど、相手からの年賀状は素直に頂きたいと思う人は、同様に寒中見舞いで対応されたらいいでしょう。