マナーうんちく物語1013《食卓から発信する夫婦・家族の幸せ物語》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

洋食・和食のテーブルマナーに30年以上取り組んでいますが、相変わらず日本人は「食べる」という行為に対して無頓着だと感じることが多々あります。

食料自給率は先進国の中で最下位クラスの日本が、世界屈指の「飽食の国」「美食の国」と言われて久しくなりますが、贅沢なモノを食している割には、食べ方はお世辞にも賢いとは言えないでしょう。

和・洋問わず、テーブルマナー講座の時には何時も、「食卓が綺麗か否か」「食卓に四季があるか否か」「箸置きを使用するか否か」と言うことをお尋ねします。

以前に比較すると、物質的には豊かになり、利便性も増しているにもかかわらず、年々食卓の状態が悪くなっている気がしてなりません。

整理整頓された食卓で、家族揃っての楽しい食事が少なくなっているということです。

夫婦、家族、地域、職場等において、様々な絆の希薄化が深刻な社会問題になっていますが、食卓の在り方を伺うと、無理もない気がします。
さらに食卓の在り方は「いじめ」にも大きな関わりがあると考えます。

ホテルでレストラン、宴会、結婚式の仕事を通じ長年「食」に携わった経験からすると、本当に「生きることは食べること」なんだと実感します。

食卓は生活そのものの基本です。
だから、そこが綺麗でなかったら非常にまずいわけです。

加えて、日本は世界屈指の四季が美しい国ですが、食卓に四季の花や、旬の食べ物、四季のコーディネートが無いと勿体ない限りです。

あくまで、私が今までテーブルマナー講座に参加された方々にお尋ねした範囲ですが、食卓を綺麗にされている方は概ね2割程度、食卓に四季が感じられる方は1割程度、箸置きを置かれている方が2割程度だと感じます。

つまり、ほとんどの方が食卓の在り方について、そんなに関心を持たれてないと言うことです。

他に、より大事な事があると言うことでしょうか?
私は本末転倒だと思います。

どこの家庭でもある食卓。
それがダイニングテーブルでもいいし、畳の上に置かれている長テーブルでもいいし、ある人にとっては勉強机のようでもいいのです。

夫婦や家族団らんの基盤になる食卓の在り方を見れば、そこの夫婦関係や家族の状況がわかるから不思議です。

ちなみに、皆様方の食卓は如何でしょうか?

和食がユネスコの無形遺産に登録されて以来、世界中の人が関心を寄せている和食ですが、実は日本の成人が和食を食す時、正しく箸がモテル人は3割から4割だと言われています。

さらに、正しい箸使いや器の扱い方等まで問うと、1割から2割程度だと思います。しかし、欧米人でフォーク・ナイフ・スプンの扱い方が出来ない人は少ないです。この違いはなんでしょうか?

家族揃っての食卓しかりです。
欧米では、いや地球上の殆どの国が、家族揃っての食事を大切にすると思いますが、日本の実態は非常に由々しき状態です。

改めて、普段何気なく使用している食卓の在り方を見直して頂きたいと思います。

日本の食卓には、夫婦の愛情を始め、家族の心と身体の健康を作る要素、四季を感じる感性、世界が認める年中行事の関わり、一家のコミュニケーションや団らんを醸し出す要素が凝縮されているのです。

つまり、人がよりよく生きて行くための全ての要素が食卓に存在するわけです。
食べ方を見直すと、生き方が見えてきます。
子どもの将来、家族の幸せを願うなら、先ずは食卓を綺麗にしてみて下さい。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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