マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
次にこのコラムでも何度も触れてきましたが、人に対する「思いやりの心」を大切にしながら、相手の身になって考えることが出来るようになればしめたものです。
人は自分の周りに、「自分のことを気にかけている人の存在」を認識できた時は、勇気や希望が湧いてきます。
困難にも立ち向かっていく気力が湧いてきます。
加えて、人から喜ばれるようになってくると、自分にもそれが跳ね返ってきます。
これが「支え合い」です。
「支え合い」=「支合(しあわせ)」=「幸せ」になるわけです。
無縁社会という言葉が生まれ久しいですが、今大学生が友人作りに苦慮していると言われます。
大学の在り方もずいぶん変わってきた感じがしますね。
私たちの頃に比較すれば、学部の数も飛躍的に増えています。
コミュニケーション関係しかりで、しかもかなり専門的になっています。
しかし、入学したての学生に、友達作りをレクチャーしなければいけないという現象には、理解に苦しむものがあります。
さらに、引きこもりの若者も相変わらず増加傾向です。
家族を始め、周囲の人達と人間関係が築けないということは非常に由々しきことです。
人生のスタートラインともいえる「働くこと」が順調にいかなければ、今後の長い人生に与える影響はとても大きくなります。
特に、学生から社会人になるスタートは円滑に行ってほしいものです。
労働市場の急激な悪化も気になるところですが、それに立ち向かっていけるだけの、様々な力をキチンと身につけて頂きたいものです。
また、若者の孤立が生まれて、それをサポートする体制づくりも大切でしょうが、孤立させない取り組みが何より肝心だと考えます。
そのためには、マナーやコミュニケーション教育の必要性を、家庭・地域・学校でさらに認識すべきではないでしょうか?
「和」「お互い様」「助け合い」「支え合い」等、日本人が古来より大切にしてきたものを今の代になって置き去ってはだめです。
資格を修得することも確かに大切かもしれません。
少なくとも邪魔にはならないでしょう。
しかし、その資格を有効に生かすのは人です。
つまり、資格はその人の人格の上に位置します。
人格という土台の上に位置する以上は、先ず自分磨きが大切だと実感するものであります。
人間関係が築けなかったら、いくら立派な資格も無駄になるのではと心配します。
次回は、重複する所もありますが「初対面の人との人間関係の築き方」に触れて行きます。