マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
最後に、ボランティアに対する心構えを具体的に私なりに述べておきます。
使命感で活動をして、社会とかかわりを持つことで、大きな存在感を得ることも確かにあると思います。
しかし、それ以前に、自分自身の「生きがい」を求めて、つまり精神的報酬を求めての活動もお勧めです。
自分自身の生き方を大切なしながら、どう社会に貢献していくかを大切にして下さいね。
「衣食足りて礼節を知る」という諺があります。
江戸時代の中頃になってくると、庶民の暮らしも次第に楽になり、衣食住が充実してきます。
そうなると人々は礼節、つまり読み・書き・そろばんや、俳句・お花・お茶等に関心を示すようになり、さらに他者のために何かするようになってきます。
つまり、他者のために尽くすには、自分自身が充実していなくてはいけないということです。
何度もお話ししましたが、「自分自身が充実する」とは、身も心も充実すると言うことです。
先ずは、自分の体と気持ちを大切にして下さいね。
但し、自分本位の考えは感心しません。
自分の行為が「ありがた迷惑」になっていないか?
相手の立場になって考えることも大切です。
そして、常に「ありがとうの気持ち」で関わって下さい。
人は、人の役に立つ、人に愛される、人に喜ばれる、存在がある、と言うことに対して、大きな幸せを感じることができます。
ボランティアに携わることは、それを与えて頂いているわけですから、常に「ありがとう」の気持ちを忘れずにして下さい。
また、ボランティアを「する側」と「される側」に上下関係は有りません。
上から目線はダメですよ。
加えて、中途半端に投げ出すのではなく、継続が大切です。
相手の立場に立って活動を継続して下さいね。
相手のニーズに合わすことも求められます。
相手の立場は尊重して下さい。
秘密を守ることも大切ですよ。
加えて、最終的には自己責任ということも頭に入れて下さい。
そして、出来る範囲でボランティア活動を行い、ボランティ活動を受ける人が「自立する力」を生み出してくれれば最高です。
以上のような心構えで、伴侶や家族や職場の理解を得て、出来ることに取り組まれたらいかがでしょうか。
その結果、「友達が出来た」「人間力が向上した」「多彩な縁が持てた」「満足感や充実感が湧いた」ことになれば嬉しい限りです。