マナーうんちく話868《「祝い言葉」と「忌み言葉」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

今日から本格的に仕事を始める人も多いと思います。
昔の人は本当によく働いていたようで、2日には「仕事始め」になります。

歳が明けて工場、倉庫、商店、問屋などから、美しく飾った車で出荷される荷物を「初荷」と言いますが、これも2日ですね。

最も現在は営業形態が大きく異なりましたので、このような商習慣はほとんど残っていないようですね。

また、今では聞くことも話すこともなりましたが、「予祝(よしゅく)」と言う言葉があります。
予め祝うこと、つまり前祝いのことです。

多産や豊作を祈って予祝することによって、それが現実になる事を願ったわけですね。

例えば「花見」。
予め秋の豊作を祝って、山の神様が鎮座されると言われる桜の木の下で祝宴を開きます。

漁にしてもそうです。
大漁になるか不漁になるかは、漁をしてみなければわからないわけですが、出航の時点ですでに船には大漁旗がひらめいています。

出産、受験、昇進を控えている人は前祝いをするのもいいかもしれませんね。
失敗した時のことを考えてネガティブになるより、すごく前向きだと思うのですが如何でしょうか?

言葉使いにしてもしかりです。
特に正月は、歳神様が里帰りされているので、縁起の悪い言葉は控えた方が良いかもしれません。

日本語は本当に難しいと思います。
忌み言葉(いみことば)、つまり縁起が悪い言葉は非常に沢山あり、神経を使うことが多々あります。

例えば正月に関連した言葉ですと、お節料理の「四の重」は「与の重」、鏡餅を切ることを「鏡開き」、さらに年賀状では「去年」を「昨年」等と表現を変えます。

また、「祝い言葉」も沢山あります。

春信(しゅんしん)は春が来た知らせ。
新春(しんしゅん)は新年のこと。
頌春(しょうしゅん)は新春を褒め称えること。
楽天(らくてん)は天の命ずるままに楽しむこと。
吉祥(きっしょう)は良い兆しのこと。
四海春(しかいのはる)は全てに春が来たという目出度い言葉等など・・・。

不思議なことに、コンピューター万能で、豊かで便利になった今でも、これらの言葉は脈々と生きています。

時代が豊かで、便利になっても、縁起を担ぐ人は多いということです。

しかし、これには一理あります。
悪い言葉を、心地よい響きの言葉に変えるだけで、気分はかなり前向きになれます。

新年のスタートに当たって、前向きの言葉を使用するように心がけられるのもお勧めです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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