マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
元日の日の出の事を「初日の出」といいます。
一年で最初の日の出ですから、昔から大変お目出度いとされています。
また、初日の出直前の茜空を「初茜(はつあかね)」と言います。
さらに、新年になって初めて雀がさえずることを「初雀(はつすずめ)」と言います。
新年になると、普段見慣れた光景や馴染みなものでも、清清しく、目出度いように感じられるということですね。
そして、歳が明けて初めて暦を使用することが「初暦(はつごよみ)」です。
最近は最新機器を駆使した非常に便利で性能の良い暦も登場していますが、最新のものであれ、古風な感じのものであれ、いずれにしても最初に使うと心が引き締まる気がしますね。
新年になると、急に何かが大きく変わるということは無いですが、それでも正月は「何か新たにやってみようか」というきっかけになります。
ところで、個人向けのコンピューターが開発されて40年位になりますが、今では多彩な機能を持つ携帯のコンピューターに近いスマートフォンが普及し、昔とは比較にならないほど、なにもかも便利になりました。
山陽新聞社の「さん太アンケート」によると、年賀のあいさつの手段も、年賀状の次にスマートフォンや携帯電話がきていましたね。
しかし、コミュニケーションツールが発達した分、人の絆もそれに比例して深まったかと言えば、むしろ逆の現象がおきている気さえします。
すぐに会える人にでもメールで済ませたりするケースも多々あります。
本当は直接会って言葉で伝えて頂きたい時も、メールで済まされることもあります。
メールを送れば、相手が承知したものと一方的に判断されて、困る時もあります。
こうなると、コミュニケーションの手段がいかに便利になろうとも「会話」は、最も大切なコミュニケーションだと思うわけです。
会話の内容はもちろん、声の響き、表情、身ぶり手ぶり等、目と目を向き合わせてする会話は、他の手段を圧倒しています。
そして手書きの文章です。
マイベストプロでマナーに関する多彩なコラムを4年間投稿していますが、自分の書いたものを読んでいただき、それを参考にして頂くほど嬉しいことは有りません。
これは小説家や詩人とて同じではないでしょうか。
年賀状と格闘された人も多いと思いますが、「文は心」なりですね。
思いを込めた分だけ、相手に響くものがあるのではないでしょうか?
アナログ人間のいいわけかもしれませんが、いくら意思疎通の技術が発達して、ソーシャルメディアが広がり、便利になっても「心の労」を惜しんでは、成るものも成らないと考えます。
今年も私の暦は、相変わらずアナログストーリーで展開しそうです。