まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
○松
門松に使用されるように「神を待つ木」として正月には不可欠の木です。
クリスマスに使用されるもみの木と同じく、一年中緑を絶やさない常緑樹は神様が宿る木として神事等に使われてきたわけですね。
若松は正月花としては一般的です
○竹
真っすぐに、勢いよく伸びて、生命力にあふれているので、お目出度い植物として重宝されています。
加えて、等間隔に節目があるので貞操を意味することもあります。
生花の器にも成ります。
○梅
厳寒の中、多くの花に先駆けて花を咲かすので、お目出度い木の象徴にされています。万葉集でも萩に続いて多く詠まれています。
平安貴族は自分の屋敷に梅を植えるのがステータスだったようです。
但し、梅は門松や鉢植えには使用されますが、切り花としてはあまり出回ることはありません。
○菊
延命長寿や魔よけとして使用されます。
とに角、長持ちするので生花の材料としてはとても優れています。
この花も、花がほとんど絶える秋の終わりに香りと共に気高く咲くので、昔から重宝されています。
9月9日は重陽の節句ですが「菊の節句」とも言われ、菊酒を飲み長寿を祈ります。「菊を生けると福が来る」と言われていますので正月には特にお勧めです。
○葉ボタン
キャベツの変種で、紅と白の2種あり、紅白の縁起の良い色合いになるのが受けて、江戸時代から正月飾りとして使用されています。百花の王と言われる牡丹が手に入れるのが難しかったので、牡丹に良く似た植物を「葉ボタン」という名前を付けて、牡丹の代わりにしたのが始まりだと言われています。
○ウラジロ
葉の裏が白いので心が清らかと言う意味があります。共に白髪になるまでという意味もあります。加えて、葉が対を成しているので夫婦和合の意味もあり、正月には無くてはならない植物です。
この他にも、何もない冬に赤い美しい花を咲かせる「椿」や、高潔な姿から君子に例えられた「蘭」等もお目出度いとされています。
洋花の「薔薇」も花が咲いている期間が長いのでお目出度い花とされています。
日本は南北に長く、四季が明確に分かれているので、一年を通じ様々な花を愛でることが出来る国で、栽培技術も非常に高く、世界各国から高い評価を得ています。
そして年中行事も非常に多い国ですが、その行事には花は付き物で、古くから愛された縁起の良い花が沢山あります。
正月用だからと言って、この花でなければならないと言う決まりは有りませんが、それらに付けられた由来を理解して、自分流にアレンジするのもお勧めです。
花に愛着を持ち、花の名前を沢山覚えられる事をお勧めします。
ということで、晴れやかな正月を、縁起花で華やかに祝い、未年(ひつじどし)に幸せの花を沢山咲かせて下さいね。