マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
3月6日は二十四節季の一つ「啓蟄(けいちつ)」です。
啓蟄の「蟄」は冬ごもりをしている虫を意味します。
但し、昔は「ハ虫類」とか「両生類」等という分類はなく、トカゲやヘビやカエルも全て虫です。
つまり、「啓蟄」とは、暖かくなってきたので、冬眠していたヘビやカエルが地中から顔をのぞける頃と言う意味です。
また、虫や植物が春を意識するようになってくると、人も春の到来を喜び、春を感じる歌をたくさん作ってきました。
明かりをつけましょ盆ぼりに お花を上げましょ・・・「嬉しい雛祭り」。
春は名のみよ風の寒さや・・・「早春賦」。
春よ来い早く来い 歩き始めたみいちゃんが・・・「春よ来い」。
春が来た春が来た どこに来た・・・「春が来た」。
春の小川は さらさら行くよ・・「春の小川」。
そして、キャンディーズの「春一番」を思い出す人も多いと思います。
この曲は、春の到来に心が浮き浮きしますが、本来「春一番」とは、立春から春分の間に、その年に初めて吹く風速8メートル以上の風の事で、昔から雪崩のような気象災害や、海難事故が多発し、とても恐れられた風です。
そして、万葉集にも春を詠んだ歌が多々あります。
学校でも最初に習う短歌で、お馴染みの歌です。
岩ばしる 垂水の上の さわらびの
萌え出づる 春になりにけるかも 万葉集(志貴皇子(しきのみこ))
岩を流れる滝のほとりにわらびが芽を出している。
春になったなー。
春を迎えて、自然が生命感を取り戻し、大きく躍動し始めた状況を喜び、歌ったわけですが、この思いは今も昔も変わりませんね。
春は、水の流れもすがすがしく、音も爽やかで、心地いい気分になります。
加えて山菜が元気を与えてくれます。
「春は苦がみを食べろ!」と言われますが、山菜のような春の旬の食べ物と、人間の身体が密接に繋がっているのを、先人は経験で把握したのですね。
ところで、昔の人は、人間の体の中にも虫がいると考えていたわけですね。
腹の中にいる虫は「回虫」とか「寄生虫」ですが、昔は、腹が減った時に腹がなったり、腹が立ったりする時には、腹の中にいる虫のせいだと思っていたようです。
いまでも、「虫が好かない」とか「腹の虫がおさまらない」といいます。
「虫が好かない人」を避けて通れば事は簡単ですが、そういかない時も多々あります。ビジネスシーンにおける上司やお客様の場合は特にそうですね。
相手にも弱点もあれば悩みもあります。こちらからなるべく丁寧に接するように心がける事をお勧めします。
「腹の虫」がどうにもおさまらない場合もよくあります。
そんな時はとにかく間を置くことです。五秒から十秒くらい間を置く事だけでも効果があります。
出来れば深呼吸でもして、一度冷静になり、自分を客観的に見ることもお勧めです。自分を客観的に見ると言うことは「今、自分は怒っている」と気づくことで、何故怒るのか?考えるのも一つの手です。
ちなみに、相手が怒っている時には、兎に角聴くことです。反論が有れば、相手が冷静になってからして下さい。
これからは、虫に限らず様々な生き物が目覚めてきます。
明るく元気に過ごしたいものですね。