マナーうんちく話73≪話好きになる方法とは?≫
七草粥で正月気分に一区切りついたところで、改めて今年の抱負を抱かれている人も多いと思います。
ところで、会議に出席する機会が多々あると思いますが、その時、椅子の背もたれに背中を付けて聴きますか、それとも身を乗り出して聴きますか?
姿勢は、あなたの心のありようを映しだします。
背もたれにもたれて話しを聞くと、「話に関心を示さない」と受け取られる危険性があります。
本当に話し手の事を真剣に聞く気が有れば、自然に身を乗り出します。このほうが相手に真剣さが伝わりますので、前向きの姿勢がお勧めです。
姿勢が良いということは、心の在り方が良いということです。
これが明確に表れるのが「お辞儀」の仕方です。
お辞儀は、頭を下げて礼をすることですが、これには深い意味があります。
つまり、人間にとって一番大切なところであって、しかも弱い頭を、相手に差し出す事により、相手に敵意が無いことと、敬意がある事を意味します。
ちなみに、欧米では握手が一般的で明治維新後に日本に伝わりましたが、日本では、なんだかんだと言っても、平和な社会背景から生まれたお辞儀です。
従って、老若男女を問わず日常の挨拶ではお辞儀をしますが、大切なポイントがいくつかありますので改めて解説しておきます。
お辞儀の特徴は、お辞儀をする目的と相手により、頭を下げる(腰を折り曲げる)角度と、下げた頭を制止する時間が異なることです。
臨機応変に対応して下さいね。
立ってする「立礼」と、座ってする「座礼」があります。立礼の場合の、頭を下げる角度(腰を折り曲げる)ですが、15度位と30度位と45度位がありますが、深くなるほど丁寧になります。
15度位頭を下げるお辞儀は「会釈(浅い礼)」、30度は「敬礼(普通の礼)」、45度は「最敬礼(深い礼)」と呼ばれております。
加えて、「語先後礼」と言われるように、先に言葉を発して、その後に頭を下げるのが一番丁寧で美しいお辞儀になります。言葉を発するのと頭を下げるのが分離されているので「分離礼」ともいわれます。
そして、お辞儀は腰が基点になります。
相手の目を見て、足を平行にして、手先を伸ばして揃えます。
伸ばしたままでの良いですが、静かに腿の上を、膝がしらに向けてすべらせるのもお勧めです。
この際、頭だけ下げるのではなく、首と背中が真っすぐなまま、お尻を後ろにつきだす要領で、状態を前に倒すと、美しいお辞儀になります。
そして、頭を下げた状態(腰を織り曲げた状態)のまま、暫く静止します。
頭を下げる角度や静止する時間は、お辞儀の目的と相手により調整して下さい。
頭を上げて(腰を戻して)、再び相手の目を見ます。
頭を「下げる時は早めに」、「上げる時はゆっくりと」がポイントです。
この要領で一度試してみて下さい。
美しいお辞儀は大きな武器になります。
加えて、場合により「無言のお辞儀」も有ります。
さほど親しくない人や葬儀の時等は、静かに頭を下げるだけで、こちらの気持ちが伝わります。便利で良いですね。
さらに、大勢の前でスピーチする時等は、深めに頭を下げることがお勧めです。
大勢の前だと、細かな表情は良く解りませんが、深々と頭を下げることにより、こちらの誠実さが伝わります。
また、以前にもお話ししましたが、握手をする時にも、手を握ったままお辞儀をする人をよく見かけますが、握手の時不必要に頭ばかりを下げると、丁寧と言うより卑屈な感じがするので、頭は下げずに、相手の目を見て下さいね。
今年は「美しいお辞儀」で、好感度を益々高めて頂ければ嬉しい限りです。