マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
日本人は花を愛でたり、虫の音を聞いたりする、すばらしい文化を有していますが、同時に、「日の出」や「月の出」を見る文化も健在ですね。
正月の「日の出」を見る風習に比べたらやや少なくなりましたが、今夜は「満月」、美しいお月様を、じっくり観察して頂きたいものです。
今日は、好天に恵まれましたので期待できそうですね。
ちなみに、旧暦の秋は、7月の「初秋」、8月の「仲秋」、9月の「晩秋」で、お月様が一番美しくなるのが、8月15日のお月様です。そして、旧暦の8月15日は、現在の9月中旬から10月の始めですが、今年は9月19(木)日です。
なお、「お月見」に関しては、「マナーうんちく話132《仲秋の名月とお月見ロマン》」、「マナーうんちく話133《日本人と月の素敵な関係》」、マナーうんちく話346《お月見ロマンと現実》」を是非ご覧ください。
ところで、美しいお月様を眺めるのはとても楽しいですが、人を見るのに、迷ったり、苦労したり、悩んだことは有りませんか?
「あの人は大丈夫」と思って信用したら詐欺の被害に遭ったり、「この人となら幸せな人生が送れそう」と思って結婚したら、とても不幸になった等と言う例は、どこにでもありますね。
よく「男運が悪い」とか、「女運に恵まれていない」と言いますが、結局は人を見る目が無かったと言うことではないでしょうか?
運だけで済まさず、人を見る目を養うことも大切だと考えます。
人は所詮、一人では生きていけません。
従って、人間関係は一生付きまといますが、出来れば、公私とも素敵な人と、人生を仲良く歩みたいものですね。
「この人はどんな人か」、「共に働く仲間として適している人か否か」、あるいは、「人生の伴侶としてふさわしい人か否か」、そんな大切な判断を下すには、人を見極める目を養うことですが、それにはポイントが有ります。
1、自分とその相手が、果たしてどんな関係が築けるのか?
2、自分にとって、相手が本当に合った人か否か?
つまり、「自分にとって、相手はどのような存在の人か」です。
色々な面で自分とよく合って、理想の関係が築けそうか?という事を、自分自身の目で見極めることです。
その相手が、自分にとって本当に理想的な人であると見極めることができれば、ハッピーな関係が築けます。
また、自分にとってミスマッチの人であると見抜けたら、おこる可能性が有る危険を前もって察知でき、適切な対応がとれ、傷つくこともないでしょう。
日本は世界屈指の物が豊かで便利な国です。
従って、バッグや服やスマートフォーン等を見る目が有る人は多いようです。また、世界一の「飽食の国」であり「美食の国」ですから、口が肥えている人も珍しく有りません。
しかし、意外に、人を見る目が無い人が多い気がします。
だから、これだけ豊かで便利で平和な国でありながら、人間関係が良くないので、幸福度は低いのではないでしょうか?
そして、人を見る際にマナーはとても大切ですが、通常では、殆どの人はマナーの差は出ません。しかし、急いでいる時や窮地に陥った時には、マナーの差は大変大きく出ます。
婚活パーティーや就職の面接試験では殆どの人は、それなりのマナーを発揮します。人を見るには、いい所だけを断片的に見るのではなく、時間をかけ、窮地に陥った時や、急いでいる時、イライラしている時に、どのような対応が出来るかをしっかり見抜いて下さい。
「花はさかりに、月は隈(クマ)なきをのみ見るものかは。」
兼好法師の言葉ですが、桜は満開の時だけ、月は満月だけを見るのではなく、それらの魅力はあらゆる状態の中に見られる。しかし、それは見る人の感受性が必要だと説いています。