マナーうんちく話143≪昔と今、どう違う恋愛事情≫
数日来の雨で、朝夕の涼しさが際立ってきた感が有ります。
そして、夕方になると、瓢箪(ひょうたん)が白い花を華麗に咲かせる頃でもあります。今ではすっかり、見かけなくなりましたが・・・。
昔は、夏の「日よけ」として、多くの家で育てられており、青い葉っぱに瓢箪の実がダラリと下がる光景は、まさに日本の夏の風物詩でしたが、最近は、瓢箪よりゴーヤの方が有名になりましたね。
ゴーヤは日よけ対策と栄養価の高い夏野菜として価値が有りますが、瓢箪はその実を乾燥させれば、水や酒や薬を入れる容器になったり、あるいは縦や横に割れば、お椀や柄杓や皿にも成ります。
さらに祭事用品、農具、あるいは楽器としても利用され、世界各国で重宝されてきました。中でも「千成瓢箪」は、多くの実をつける品種なので、豊臣秀吉が合戦に使用し天下を取ったのは有名ですね。
ところで瓢箪と言えば、「瓢箪から駒が出る」と言う諺を思い起こす人が多いと思います。
瓢箪の事はご理解頂けたと思いますが、では「駒」とは何かご存知でしょうか?
駒は「馬」です。
しかも並大抵の馬ではなく、一日に数万里を走る白い名馬です。
瓢箪に入れられた酒を注ごうとしたところ、中から思いもかけず馬が飛び出して来たという意味で、全く思いもかけないことが、事実として実現したという解釈になります。
「冗談のつもりが本当になる」意味でよく使用されますね。
「嘘から出た誠」と言う言葉に似ています。
最近、少子化抑制対策の一環として、行政主催の「婚活パーティー」が目立ちます。「縁結び係」を設けた役所もありますね。
少子化は晩婚化、非婚化が大きな要因でしょうが、それぞれ深刻な背景が潜んでいる気がしてなりません。
「晩婚化」は女性の社会進出や価値観の多様化で、女性に顕著に表れているようですが、「非婚化」は女性より男性に著しいのが特徴です。
男性の収入に大いに関係が有るようです。
問題はその結果、結婚をあきらめる「諦婚化」に有ると思います。
さらに、出会いの機会が無いのを問題視する傾向もあるようです。
フランスのように婚外子が珍しくない国は別として、日本のように、「子作り=結婚」となれば、未婚の男女に結婚して頂く以外に、子どもを増やす有効な対策は無いのではないでしょうか。
しかし、その結婚が、晩婚化、難婚化、非婚化、そして諦婚化傾向にある事は、日本の未来にとって、とても由々しきことです。
世界に類を見ない「超高齢化現象」も、目先の問題として早急に対策を練る必要が有りますが、それを支える若者の結婚がスムーズに行われてないと言うのはとても心配なことです。
行政としても、いたたまれない気持ちはよく理解できるし、税金を投入してでも、出会いの機会を創出するのも異論は有りません。
しかし、その前に、未婚の男女が自身のライフプランニングに沿った「結婚観」を持ち、「結婚の目的」を明確にして、自分に合う人、即ち理想の人に出会った時に、その「出会いをモノにする力」を先ず身に付けることが大切だと考えます。
日本は、年々長寿化しているので、不必要に結婚を急ぐ必要はないけど、出産可能年齢は伸びていないことは明白な事実です。
瓢箪は末広がりであると共に、実をたくさんつけるので、子孫繁栄や子宝に恵まれると言う言い伝えが有るとても縁起の良い植物です。
さりとて、瓢箪を家の軒下に植えても実際に子宝に恵まれることは有りません。
社会全体で、未婚の男女に結婚の意義や意味を正しく認識していただき、「幸せ婚」を皆で応援する体制作りこそ、本当に大切だと思うわけです。
そのためにも、素敵なマナーを身に付け発揮することをお勧めします。