マナーうんちく話584≪子は親の背中を見て育つ≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:親に身につけていただきたいマナー

異常な暑さに異常な雨・・・。
異常が度重なると、異常ではなく当たり前になってしまいます。
暑さも雨も程々が良いですね。

ところで、お盆の頃から、急にトンボを見かけるようになりませんでしたか?
お盆は、ご先祖様、すなわち亡くなった方の霊(精霊)が里帰りする日ですが、実は、この時トンボに姿を替えて里帰りするという言い伝えが、全国各地域で古くからあります。だから、お盆前から飛び始める黄色のトンボの事を、「精霊トンボ」とか「盆トンボ」と呼びます。

幼い時に、「このトンボはご先祖様の使いのトンボだから、絶対に捕まえてはいけないよ!」と、お爺さんやお婆さんに言われた記憶をお持ちの方もいるかもしれませんね。そういわれて見るの、このトンボ、いつも同じ場所で、懐かしげに飛んでいる気がしませんか?

このトンボの正式な名前は、「ウスバキトンボ」と言われ、日本全国どこでも見ることができますので、機会が有ればしっかり観察してみるのもお勧めです。
思い出深い人の魂かもしれませんよ。

さて、8月15日に終戦記念日に触れましたが、人と人とが殺し合うことは、いかなる理由が有ろうとも、断じて避けなければいけません。

そして、やたらに生き物を殺してもいけません。
命あるものは、全て大切にするべきです。
人は勿論、動物・鳥・昆虫、そして花や木など、全ての生き物を大切にすることは、人間が、より良く生きるための基本です。

自分以外の生き物を大切にすると言うことは、言い方を変えれば、自分自身を大切にすると言うことです。

日本は昔から自然と共生し、農耕文化を発達させ、平和な社会を築いてきました。そのお陰で「他殺率」は世界で一番低いのが現状です。しかし、残念ながら、「自殺率」は依然としてワーストクラスをさまよっています。

特に最近は、若者に多くみられるようになりました。
自殺の原因は様々ですが、若い人が自ら命を絶つ行為は、この上ない、勿体ない事であり、悲しい事です。

加えて、学校のいじめも深刻な状況ですが、職場でのいじめも由々しき状態ですね。この事が、自ら命を絶つ原因になるとすれば、学校や職場から、いじめそのものを無くさなければいけません。

いじめをなくするには、「いじめに走る人」を無くすることが大切です。

日本では食前・食後に感謝の言葉を唱えます
食前に発する言葉は「頂きます」ですが、何を頂くのか?と言えば食材の命です。また、何故頂くのか?と言えば自分の命を長らえるためです。

つまり、自分の命を長らえるために、牛さん、豚さん、魚サン、卵さん、あなたの命を頂きます!と言うことで、食材に感謝するわけです。

牛や豚や魚は、決して人間に食べられるために生きているわけではありません。しかし人間が生きて行くために、あえて食べるわけですから、感謝するのが当然です。

その感謝の気持ちをキチンと表現するために、姿勢を正し、言葉に発し、正しく箸を持って、美味しく、残さず、美しく食べるわけです。

「生きる事は食べること」です。
この食べ方が、家庭で正しく実行されていたら、少なくとも、いじめに走る子は生まれません。

夏休みも残り少なくなりました。
親が子供に、この意味をキチンと教え、実行させれば理想的ですが、その前に、親が主体的に変容し、正しい手本を示さなければいけませんね。

「子は親の背中を見て育つ」、あるいは「雛鳥は親鳥の通りにさえずる」の諺は、古今東西、普遍的です。
盆トンボが、懐かしげに同じ場所で飛んでいるのは、ご先祖様が「自分の子孫がより良い暮らしをしているかどうか」を確認するためではないでしょうか。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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