マナーうんちく話577≪「お陰さま」と「お互いさま」≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

蝉しぐれに夏本番を感じますが、今日から8月。
旧暦の8月と言えば、木の葉が紅葉して落ち始める月でもあるので「葉月」、また、稲穂が張りだす月なので「穂張り月」、加えて、燕が南方へ去っていく月だから「燕去り月」とも呼ばれます。

しかし、現実的には、土までがじっとりするような蒸し暑い日が続き、不快指数が高くなる時期ですので、いずれの呼び名もピーンときませんね。
30日から45日位先を想像して頂ければいいと思います。

さて、8月と言えば花火大会に野外コンサートに土用夜市など、楽しい行事が目白押しですが、なんと言っても「お盆」ですね。

良い事が重なる事を「盆と正月が一度に来た」と言いますが、盆と正月は、ご先祖様の里帰りの日で、日本人にとっては最大級の年中行事です。
それだけに、何かと準備にも精が出るわけです。

景気が上向き、懐が豊かになって海外旅行も良いでしょうが、盆と正月は、家族・親族そして旧友と親交を深めるとともに、ご先祖様に感謝する日にすることもお勧めです。

そして、暑さがピークを迎える時でも有ります
体調管理をしっかりして下さい。

暑さのせいで体調を崩さないように、日頃からの自己管理が大切です。
最近テレビ番組で、医者が登場する「健康番組」が特に多くなった気がしますが、それだけ色々な病気が増えているから、関心が高いのだと思います。

飽食や生活習慣に起因する病気も大変深刻な事態を迎えていますが、最近目立つのが、人間関係から生じるストレスです。
学校の、いじめや不登校もそうですが、職場の人間関係も深刻ですね。

職場の人間関係は何も今に限った事ではなく、昭和・大正・明治さらには江戸時代にも当然あったわけですが、最近の新型うつ病なんかは、今まで経験した事が無いような由々しき事態ではないでしょうか。
特に最近は、雇用形態も多種多様で、同じ仕事をしても、賃金が異なるので、本人も周囲の人も、本当にやりづらいと思います。

ストレスをため込む前に、何か「はけ口」が有ればいいのですが・・・。
一番いいのは、気軽に愚痴を聞いてもらえる相手がいることです。
愚痴は聞いてもらうだけで、かなりすっきりします。

但し、「私の愚痴を聞いて」とは、なかなか切り出しにくいものです。
そこで、普段仲良く接している人が、元気が無かったり、落ち込んでいるようでしたら、気軽に「最近元気が無いけど何かあった?」等と問いかけてあげることも大切です。

こうすれば、相手はずいぶん喋り易くなります。
そして、とにかく、真摯な態度で聞いてあげることです。

愚痴をきいてもらった方は、「お陰様」の精神で、そして、愚痴を聞いてあげた人は「お互い様」の気持ちで接することが大切です。

ちなみに、「お陰様」とは、目に見えない偉大な存在、つまりご先祖様のお陰と言う意味です。事態が好転したり、良い事が有れば、その都度、感謝の気持ちを抱くことが大切だと考えます。

「愚痴を聞いて頂いたお陰で気分がすっきりしました。ありがとうございます。」と言うことです。

また、「お互い様」とは、人は一人では生きていけないから、常に助け合い、支え合いの精神で、互いに気に掛け合うと言うことです。
周囲に困っている人が有れば、気軽に声を掛けて上げて下さい。

人に愚痴るのは格好いいことではないかもしれません。しかし、愚痴る相手が存在しないのは本当に寂しい事だと思います。

お盆の行事も、お陰様や、お互い様の言葉も、先人が生み出したものです。
いくら科学万能の時代でも、時には先人に寄り添い、昔ながらのしきたりや生活を見直すことの中に、本当に「心豊かに暮らせる知恵」が有ると思うわけです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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