マナーうんちく話525≪4月の雨が花咲く5月を作る≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

野山の緑が濃くなり、新緑の季節が目の前にやってきましたね。

4月20日は二十四節季の一つ「穀雨(こくう)」です。
雨が若い芽を育み、穀物を育てる頃です。

春の雨は、比較的優しく柔らかい感じがしますが、特に万物の成長を助けるので昔から親しまれ、素敵な名前をつけてもらっています。

静かに降る雨は「春雨」。
花の咲くのを促すように降る雨は「催花雨(さいかう)」。
桜の花が咲く頃の雨は「桜雨」。
杏の花が咲く頃の雨は「杏花雨(きょうかう)」。
菜の花が咲く時期の長雨は「菜種梅雨(なたねづゆ)」等など。

そして、春の雨は、花の芽を潤し育くみ、美しい花を咲かせるので、「花の父母」と呼ばれます。

花や木が美しい花を咲かせるには、色々な気象条件が大切ですが、特に雨は必要不可欠だということです。

幾つ歳を重ねても、親はとかく、あれやこれやと口やかましいものですが、それも丁度今時の雨に、よく似ているかもしれませんね。

親のありがたみは、親がいなくなってわかりますが、春のうっとおしいとも思える長雨は、五月の新緑には欠かすことができません。
こうなると、春の雨は、もっと前向きにとらえなくてはいけませんね。

また西洋には、「三月の風、四月の雨が、五月の美しい花をもたらす」と言う諺が有ります。

三月の強風、四月の長雨があるからこそ、美しい花が咲き、新緑に覆われる五月が有るわけです。
つまり、美しい花は快晴だけでは咲かないと言うことです。

人生にたとえると、辛いことや苦しいことに耐えてこそ、心豊かな生活に有り付けると言うことです。

「若い時の苦労は買うてもせよ」といわれます。

若い時に、色々な苦労を経験すると、それが肥やしになり、人格が磨かれて、その後の人生にいい影響を与えるという意味です。

従って、苦労から逃げるのではなく、自ら進んでその苦労を引き受け、様々な経験をすることが大切だと思います。

最近は物が豊かになり、便利になり過ぎたせいで、若い人は、苦労を経験していません。

精神的にも肉体的にも、さらに苦労する事、耐える事、我慢することを経験さすべきだと痛感しています。

そのためには、先ず家庭の食卓の在り方が大切だと考えます。
つまり、食事の時は、姿勢を正して、感謝の気持ちで食す。
「頂きます」「ご馳走様」の挨拶をキチンとすることです。

加えて、好き嫌いをなくして、食べ残しをしないことも大切です。
また、箸や器を正しく扱うことはとても大切です。

これらができなかったら、先が思いやられます。

三月の風、四月の雨の前には、二月の雪が有ります。
つまり、雪や風や雨を経験して始めて美しい花が咲き実をつけるわけで、温室育ちでは期待通りにはいきません。

家庭においては親が子に対して、学校では教師が生徒に、職場では上司が部下に、愛情を注ぐと同時に厳しさも経験させていただきたいものです。
そのためには、親や教師や上に立つ人が良き見本を示さなければいけません。

素敵なマナーを発揮するには、辛いことも、悲しいことも、色々と経験することが大切です。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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