マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
このコラムで毎度「二十四節季」に触れておりますが、年明けの「小寒」から晩春の「穀雨」の間には、マナーうんちく話35《二十四番花信風》」で触れましたが、花を咲かせる風が吹くとされています。
ちなみに、平成25年は1月5日が小寒で、4月20日が穀雨になります。
春の訪れをいち早くキャッチするのは、「春になれば先ず咲く花」の「マンサク」ですが、続いて「梅」が可憐な花を一輪、また一輪と咲かす頃です。
菅原道真が詠んだ、「東風吹かば におひおこせよ 梅の花 主人なしとて 春なわすれそ」の和歌を思い浮かべる方も多いと思います。
そして、昔懐かしキャンディーズの、「春一番」のメロディーを口ずさみたくなる頃でもあります。
インフルエンザや花粉症等が気になるところですが、やはり春の声を聞けば、気分が明るくなりますね。
ところで、春を目の前にして、最近笑っていますか?
嬉しいことや楽しい事が有って、思わず顔がほころんだり、大変面白いことに出くわし、お腹を抱えて大笑いしましたか?
これに該当する人は、ぜひ、その笑顔を持続して下さい。
反面、辛いことや悲しい事が有り気分が重くなったりしていませんか?
仕事がうまくいかなかったり、人間関係がこじれて、イライラしたり、落ち込んだりしていませんか?
このような方は、無理やりにでも笑顔を出すように努力してみて下さい。
多少なりとも気分が軽くなります。
日本には、「笑う門には福来る」と言う言葉が有ります。
この諺の意味は、「日頃からにこにこ微笑んでいる人には、自然に春が訪れる」、つまり、「にこにこしている人は幸せになりますよ」と言う意味です。
また中国には、桃や李(すもも)の花は、何も言わないが、その花の美しさにひかれて、多くの人が集まり、やがて道が開けると言う例えも有ります。
常にしかめ面をしている人より、にこやかにしている人の方が好印象を受け、そこには多くの人が自然に集まり、温かいコミュニケーションが生まれ、幸せの種が芽吹きます。
マナーとは、「思いやりの心」を表現することですが、思いやりとは、「相手に不快感を与えない」ことと、「相手に好感を与える」ことです。
そして、相手に好感を与える最も良い方法は「笑顔」です。
お見合い、婚活、名刺交換、自己紹介、プレゼン、面接試験等などにおいて、好感を持たれるのが笑顔です。
しかし、日本人は世界に誇る素晴らしい面を沢山持っていますが、残念ながら笑顔が苦手な人は決して少なく有りません。
笑顔は、たとえ作り笑顔でも、精神的にも肉体的にも良いことはわかってはいるものの、自分では気付かないうちに、ビジネスでもプライベートでも、ついつい渋い表情に成りがちです。
さらに悪いことに、イライラしたり落ち込んだりしている時には、それにつれて、姿勢も悪くなっているケースが多いものです。
意識して、表情を和らげ、笑顔を意識される事をお勧めします。
「別に楽しくも、面白くもないのに笑顔になれるか」と思いがちですが、それは感心しません。
「岡山ハッピーコミュニケーション」にも、笑顔作りのプロがいますが、「楽しいから笑顔になるのではなく。笑顔になるから楽しくなる」のだそうです。
気分を科学的に検証できるか否かは、専門家ではないので解りませんが、それでも、笑顔は人々に好感を与え、心豊かな生活の一助になることは確かなようです。
もうすぐ、東風(こち)が春を運んできます。
春をより楽しく暮らすために、今から笑顔の有る生活を心がけたいものです。