マナーうんちく話⑬≪葬儀の服はなぜ黒い?≫
「乾杯」は主として慶事に行われますが、「献杯(けんぱい)」は葬儀や法事などの弔事に行われます。
つまり、献杯は、葬儀や法要のあとの会食の際に、唱和される挨拶の言葉であると認識いただければいいと思います。
お祝い事に当たっては「乾杯」、葬儀や法事の時は「献杯」ということです。
なお、献杯とは「敬意を表すために盃を捧げること」で、文字通り、杯(盃)を献ずることですね。
従って、葬儀や法事の後に「献杯」を行うのは、故人に敬意を表し、死を悼んで盃を掲げることを意味し、葬儀や告別式が終わった後の食事や、法事(法要)の際の食事の前に行うのが一般的です。
初七日、四十九日、初盆、一周忌、三回忌等などの際の食事の前ですね。
いずれの場合も、順序は次の通りが一般的です。
位牌の前に盃を置き、酒をつぎます。
遺族(施主)のお礼の挨拶が有り、「会食を始めます!」と言う合図が有ります。
次に、献杯の音頭を取る人の紹介があります。
指名された人が、手短に挨拶をして、「唱和をお願いします」と言います。
参列者は、盃をかるく上げ、静かに「献杯」と唱和します。
参列者全員で黙とう(沈黙)します。
遺族がお礼の挨拶をして、食事がスタートします。
献杯の際に注意して頂くポイントは、杯は軽く上げる程度にしてください。
また、盃は他人と合わせ無いようにして下さいね。
ちなみに、乾杯後は拍手をしますが、献杯後の拍手はしません。
遺族を慰める意味でも、おごそかにすることが大切です。
盃の酒も、全て飲み干す必要は有りません。
また、献杯の音頭を取る人は、だらだらとした挨拶は控えて頂き、できれば手短に切り上げて下さい。
挨拶のポイントは、「お悔やみの言葉」と「故人を偲ぶ言葉」です。
故人を偲びながら、エピソードを紹介したり、残された遺族に励ましの言葉や、参列者の温かい援助のお願いが有ればいいでしょう。
但し、故人がまだ若い人だったら、それだけ悲しみも深いので、このような場合は、形式的な挨拶でもいいと考えます。
献杯後は、いよいよ食事がスタートしますが、この時には故人の話題に集中して下さい。
故人のエピソード等が有ればいいです。
特に葬儀や法要後の献杯は、故人を敬い、供養する気持ちが何より大切です。
先に触れた乾杯とは、全く異なる神聖な儀式のつもりで臨んで下さい。