マナーうんちく話403≪師走と日本人≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

12月は陰暦で「師走」と表現されるのは、よくご存知だと思います。
「普段は冷静沈着な教師でも、走り回るほど忙しい」と解釈されている人が多いようですが、この「師」の意味は、教師ではなく僧侶です。

従って、「師走」の意味は、「お経をあげるために僧侶が駆け回る月」の方が有力です。

加えて、12月は陰暦で「除月(じょげつ)」とも言われています。
普段聞き慣れない言葉ですが、「なるほど」と思われる、深い意味が有ります。

除月とは、旧年を払い、取り除いて、新しい年を迎える意味です。
そして、12月31日を「除日(じょじつ)」、12月31日の夕方を「除夕(じょせき)」、そして、12月31日の夜は「除夜(じょや)」と言われます。
「除夜の鐘」の「除夜」ですね。

また、「除」と言う意味は、神様が天に登ったり降りたりする際に使用する梯子(はしご)を意味すると言う説が有ります。

ちなみに、神様をお迎えする時には、邪気を払って清めなければいけません。
「除」の漢字は、古い物を取り払うと言う意味ですが、この理に従えば頷けますね。

今日から12月になりましたが、忙しく飛び回るのもいいし、今年を振り返りながら、希望の梯子の一段を踏みしめ、来る年を前向きに迎える準備をするのもいいですね。

各国共通で、多くの人は忙しい日々を過ごされていると思いますが、特に、日本人の忙しさは世界でも特別だと言われております。

しかし、「忙しいから」とか、「慌ただしい」とかで、引っ込み思案になるのではなく、何事にも前向きに取り組まれる事をお勧めします。

忙しいと言う言葉は、言い訳したり、断り事をする時には大変便利の良い言葉ですが、これを理由に、忘年会の誘いを断ったり、年賀状を出さないのは、寂しい気がします。

忙しくて、活気が有るのはいいことですが、特に忙しい時の人付き合いには、それなりの価値が有るように思います。

こんな時こそ、素敵なマナーを発揮して、前向きに付き合いを広げてみられては如何でしょうか?

特に、日本には「忘年会」という人付き合いが有ります。
忙しい中ですが、あえてこれを有効に利用され、人と人との和を広げられるのもお勧めです。

平常時にはマナーの差はあまり出ません。
忙しい時や慌ただしい時こそ、マナーには差が出ます。
つまり人柄が出ると言うことです。
忘年会の時こそ、素敵なマナーを発揮して下さい。

ところで、新しい年を迎えると言うことは、農耕民族で有った日本人にとっては、宗教・風習・農作業等の面においても非常に大切な意味を持っています。

そして、師走は、人間関係作りに励むと共に、一年を振り返り、新しい年をすがすがしい気分で迎える準備をする時だと考えます。

風邪や事故にはくれぐれも注意を払い、身も心も元気でご活躍下さい。









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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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